bizSPA!

東大医学部→生活保護を受ける20代男性。増える若い受給者のホンネ

学び

現在は単身世帯基準額の約13万円を受給

 数か月は親族の元に身を寄せていたが、それ以上いられなくなり、貯金も失い、ホームレスに。当初は住所不定ということで不当に拒絶されたが、紆余曲折を経て半年後に受給が決定した。東大卒で健康体であることは問われなかった。

「生活保護は国民の権利です。長引く不況、格差の広がり、非正規雇用拡大などの影響もあって若年層の労働環境は年々厳しくなっています。僕は健康を損なって退職後、起業がうまくいかずに現在、この制度を活用しています。

 日本は他の先進国に比べ、生活保護への理解が遅れています。若くても働けても生活保護は利用できます。いまだに偏見が根強いですが、正しい知識を普及して、利用者を増やす必要があると思います

 現在、単身世帯基準額の約13万円を受給。生活保護は起業のためと考えており、脱却の目安を自身が運営するYouTubeチャンネル登録者数3万人と定めている。

「困っていると躊躇せず伝えるべき」

 同じく、コンテンツ収益で生活保護からの脱却を目指しているのがVTuber「なまほしちゃん」として活動する加藤里香さん(仮名・20代)。

生活保護

ゲーム実況、雑談などを配信のVTuber「なまほしちゃん」として活動する加藤さん(仮名)。スパチャなどをもとに、’22年までに生活保護脱却を目指す

 親と折り合いが悪く、高校卒業後に上京したが難病のため働けず、友人宅を転々としながら「何でも屋」のようなことをして食いつないでいた。そんななか約3年前、間借りしていた友人の転勤が決定。体調的にも自立が難しく、申請を決めた。20代とはいえ、難病持ちということですぐに受給できた

「必要書類を自力で用意し、5日後には受給決定しました」

 受給額は約16万円、うち8万円弱が障害年金と難病手当からの充当。同時に居宅介護も受けているが、外出困難な際に同行してもらえる「移動支援」など、さまざまな支援制度があることに気づいた。

「困っていることは躊躇せず伝えるべきだと感じました」

年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

発売即重版! 貧困問題に鋭く切り込み、ネットで大論争を巻き起こした週刊SPA!「年収100万円」シリーズがついに書籍化

おすすめ記事