働く女性の“社会人百合”の人気漫画家が語る「会社員としてのキャリア」<マンガ>
フリーランスには不安定なイメージが
――SNSの発達は漫画の世界を大きく変えましたよね。
ユニ:そう思いますね。電子書籍をみんなが読むようになったりとか、アプリで漫画を読むのが結構当たり前になっているので、そういう意味では紙書籍で単行本がでないと稼げない、みたいなことはだんだん無くなってきてるのかなと。また今は、結構オンラインで自費出版もしやすい状況だと思いますね。私も以前から過去のオリジナル同人誌をkindleで販売しています。
出版社を通さなければ漫画家としてダメだということは全くなくて、個人の電子書籍の売り上げだけでしっかり生活されている漫画家さんも沢山いらっしゃいます。そういう先輩たちを見ていても色々なやり方があって素晴らしいなあと思います。
――学生時代や新入社員だった頃に、フリーランスになろうとは思ったことはありますか?
ユニ:ありません。漫画家、というよりも不安定なイメージのフリーランスには絶対にならないと思っていました。私はよくポジティブに見られるんですが、実は結構ネガティブで、これダメだったらどうしようと考えるタイプです。今1つの選択肢として自由業を考えられたのは、それがダメでも次の選択肢を思い描く余裕があったからだと思います。余裕というのは精神的、金銭的なものと、あとは仕事を通して培ってきた知識や技術、経験ですね。
ワーキングプアになることを恐れていた
――過去ユニさんはキャリアを形成していく上でどのような不安を感じていましたか?
ユニ:私は高校生のときにワーキングプアになることをすごく恐れていました。普通に生活している人も1歩間違えれば、そうなってしまう可能性が怖くて。家も経済的に恵まれた環境ではなかったので、どう働いてお金を稼いでいくかというのは、個人的にとてもシビアな問題でした。仕事を一生続けるべきと思っていたのも、常にご飯を食べていくのに困りたくない、というのがあるんですよね。
――転職を前提に就職先を選んだというのもその影響でしょうか?
ユニ:特定の会社でずっと同じことをしていた結果、他に行ったら通用しなかったっていうのは、よくある話だと思います。ただ、そうなると嫌でも逃げられない。会社に飼い殺しにされちゃうなぁという危機感がありました。だから、1つの会社でしか通用しない形にはなりたくないという思いが強かったです。