働く女性同士の恋 “社会人百合”とは?描いたきっかけを人気漫画家に聞く<マンガ>
DMがきっかけで商業デビュー
――女性同士の社内不倫を描いた商業デビュー作『憎らしいほど愛してる』の出版の時は、まだ会社員をされていたと聞きました。
ユニ:元は個人でちょこちょこ描いていた話だったのですが、TwitterのDMに出版社から「1本の漫画にしてみませんか?」とご連絡をいただきました。そこでネックとなったのが連載という形式です。実は以前から商業媒体へのお誘いはありましたが、定期的に一定量の漫画を描くとなると会社との両立が厳しくて……。
ですので連載ではなく、1本の漫画としてまとめて単行本を出すっていう形だったら問題ないと提案しました。そうすれば私の原稿が遅れても、ある程度柔軟に対応ができるので。だいたいこの辺に出版しましょうという期日だけを決めて、そこに向けて200ページ近くの漫画を描きためる方法で制作しました。先方が柔軟に承諾してくれたので、実現したお仕事だと思います。
――創作活動が仕事に与えたポジティブな影響はありますか?
ユニ:会社での生産性は上がりましたね。早く漫画を描きたいので、仕事をダラダラやりたくないんですよね。仕事のほうをできるだけ圧縮して、短い時間で色々できるように工夫しました。
自分の生産性だけを上げてもダメ
――具体的にはどのような工夫をされたのですか?
ユニ:実は自分の生産性だけを上げてもダメなんですよ。私だけ手が空いていると、また別の仕事が舞い込んできてしまうので。だから、チーム全体の生産性をどうやって上げていくか考えていました。たとえば、「誰が何の業務をしているかっていうことを、全員が見える化しておかないといけないよね!」という話になりました。
毎日やってる業務プラス、この人は今期、これとこれとこれをやりますっていうのが、どの仕事でも大体決まっていると思うんです。プロジェクトのスケジュールも最初から決めて、全員でそれを共有することもしました。
プロジェクトのスケジュールを「ガントチャート」の形式で作成して、すべての業務の進捗を、誰でも一目で把握できるようにしました。こうすることで、遅延があれば、問題がある工程をすぐに見つけ出し、来期までに改善を図ることができます。少しずつブラッシュアップできるので、他のプロジェクトでも取り入れることになりました。