嘘みたいな「200円のウインナー弁当」が爆売れ。ローソンストア100の部長に聞く、10年間の苦労
大ヒットに「私自身も驚いている」
これまでのプレゼンでOKを出さなかった人たちは、この大ヒットに対してどう思っているのだろう。
「ウインナー弁当が却下された理由は『ウインナーだけでは顔にならない』『彩りが悪い』というものでしたが、今回発売したところ大ヒットとなり、これまで却下してきた社内の人はもちろん、私自身これほどまでに『おかず1種類の超シンプルな弁当』にニーズがあったのかと驚いています。200円という価格や、小さ目サイズで麺類や惣菜、サラダなどと買い合わせができる点も良かったと思っています」
10年という長い時を経て企画を出してきたウインナー弁当は、もはや我が子のような存在だっただろうが、世に出した際、どんな心境だったのか聞いてみた。
「『絶対にウケるはず』と思っていましたが、期待と不安が入り混じるような気持ちでした。しかし、発売初日からすぐに売れ始め、私が担当する加盟店のオーナーからも『ウインナー弁当が売れている』という電話が入ったので手ごたえを感じました」
林氏は予想を遥かに上回った売れ行きだったとしているが、現在ウインナー弁当は「当初目標の5倍以上売れています」とのこと。
ウインナー弁当は大きな利益を産むわけではない
ウインナー弁当はウインナー5本とパスタが少し、ご飯だけのお弁当だ。しかし、家で作ろうとしたら意外にコストがかかり、ローソンストア100で200円出して購入したほうが安いのではないかと思ってしまう。これで採算が取れるのか心配になってしまった。
「大変お得な価格設定にしていますので、ウインナー弁当はそこまで大きな利益を生む商品というわけではありません。一緒に麺類や惣菜、デザート、飲料などを買っていただければと思います。コストを抑えるために、弁当のフタはプラスチックではなくラップ、ごはんとウインナーの間にバラン(緑色のシート)を入れることも省いています」
また、ウインナーがメインになるので、テイストや食感などのこだわりがあるはずだが、何かあるのだろうか?
「ウインナーは『白いごはんに合う味』のものを探しました。パリッとした皮の歯ごたえや風味にもこだわりました。燻製の風味は林檎の木で燻しています。また、パスタはおかずというより、ウインナーが転がらないように入れています。シンプルに塩味です。ごはんは特に銘柄はうたっておりませんが、国産です」