コロナで一時は売上95%減、老舗の挑戦。“マリトッツォ風カエルまんじゅう”大ヒットのわけ
SNSを利用したらヒット商品が誕生
これまで青柳総本家では「SNSをやっていなかった」と語る後藤氏。
「会社を立て直すために、私がSNSをメインに強化していくことになりました。ただ単にフォロワー数を伸ばすだけではなく、いかにお客様が楽しみながら投稿していただけるかに着目したのです。Twitterでは弊社の商品を使ってアレンジレシピを投稿しており、実際に試してくれるお客様も増えました」
そして、ある社員が、同社の人気商品「カエルまんじゅう」をマリトッツォ風にアレンジしたものを投稿。それでSNSを見た人からの反響があり、商品化して欲しいという要望が多数あったという。
後藤氏は「開発部にお願いして作ったものを食べた瞬間に『これは行ける』と思いました。『ケロトッツオ』として商品化したものをSNSに投稿したら急速に拡散され、2021年7月22日に販売されてから8月前半時点で3800個ほど売れています」と語る。
マツコの番組でも反響が
そもそもケロトッツォの基本となったカエルまんじゅうとは、青柳のロゴマークでもあり、縁起が良いカエル にちなんだお菓子を作りたいと社員の声があってできた商品だそうだ。後藤氏の生まれた年と同じ、1989年(平成元年)に誕生。
後藤氏は「これまでのういろうとは全く違う商品だったので世間には受け入れにくく、当初は全く売れなかったそうです」とのこと。
それでも少しずつ売れていたカエルまんじゅうだが、いっきに世間の注目を浴びたのが、2018年9月11日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)だったという。「かわいいカエルのお菓子があるぞ」と話題になったのだ。
後藤氏は「そこから若い人にも青柳総本家の認知度が徐々に上がりました。今回のケロトッツォで若い人にも認知していただけたのかもしれません」と語る。