元乃木坂46伊藤万理華、“ネガティブだった”時期を経て見つけた「大事なこと」
好きなものを好きと言えることの特別
――こだわりの強い伊藤さんですが、ハダシは時代劇映画が大好きで、勝新(勝新太郎)を“尊い”と言っています。伊藤さんにとって“尊い”ものとは?
伊藤:うーん。難しい。自分がこれまで集めてきたものを部屋に飾ったりしているので、部屋全体ですね。空間そのもの。そこがなければ私でいられてないと思います。別に派手だったりするわけではなくて、服や石など地道に集めてきたものでできている部屋をただ眺めているのも好きだし、部屋で過ごしている時間自体も“尊い”と感じます。
――伊藤さんの趣味嗜好がそのまま現れている部屋のようですね。
伊藤:人に見られても何も思わないです。私はこういう人間です、と堂々と。もしかして他人から見たらちっぽけだったり、恥ずかしいと思うようなものだったとしても、自分にとっては特別だし、好きなものを好きと言えること自体、特別なことだと思っています。
――対象そのものだけでなく、その気持ちが尊い。
伊藤:そうですね。それに、部屋の話からは飛びますが、好きなものでいうと、私は何かものを残すことが自分の役割だと思っていて、この仕事をしていなくても、何かを作っていると思うんです。それが本なのか何なのかは分かりませんが、何かを作り続けて、それが誰かの手元に届いたら嬉しいと思い続けているはずです。
何もできなくて引きこもっていた時期が
――本作は中高生が観たら響く作品であることはもちろんですが、たとえば20代も半ばになっているのだけれど、最初のハダシのようにやりたいことに踏み出せない人にも響きそうです。
伊藤:年齢は関係ないと思います。私が乃木坂を卒業するタイミングで個展をやらせてもらったときは、21歳でしたし、昨年23歳のときにも作りたいと思ってやりました。自分が踏み出せる瞬間があるのであれば、ちょっとした一歩で世界は変わると心から思っています。
乃木坂を卒業して、しばらくお仕事もない状態のとき、初の個展も終わって燃焼していた部分もあって、何もできなくて引きこもっていた時期がありました。