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「びっくりドンキー」朝8時からの朝型シフト、おしゃれな新業態も

ビジネス

 7月12日、ハンバーグレストランチェーン「びっくりドンキー」が北海道内の18店舗で、最大3時間開店時間を早め、閉店時間を2時間早める「朝型シフト」を開始しました。これにより、店舗によっては朝8時から営業します。「朝型シフト」は、直営店を中心に6月7日から順次行われてきており、関東ではすでに半数以上の店が朝8時オープンになっています。

びっくりドンキー

びっくりドンキー 新宿靖国通り店

 新型コロナウイルス流行により、全国的に20時以降の営業が制限されている中で、「朝型シフト」は発想の転換と言えるでしょう。本連載「ブラック企業アラート」では、「びっくりドンキー」の運営元である「アレフ」社の公開情報を通して、同社の業績・企業体質を分析します。

「びっくりドンキー」運営元の「アレフ」とは

 では、びっくりドンキーの実績推移について確認していきます。運営元の「アレフ」という社名が気になる人もいるかもしれませんが、びっくりドンキー運営元の株式会社株式会社アレフは1968年12月に岩手県盛岡市で創業した企業で、オウム真理教の後継団体とされる「アレフ」とは無関係です。

 同社の企業サイトトップには、<小社「株式会社アレフ」は、オウム真理教および同教団の「アレフ」と呼称する団体とは一切関係がありません。>と記載があり、セコムのSSL証明書へのリンクも貼られています。

 事実、オウム真理教関連のニュースが出るたびに同社のサイトにアクセスが集中するようなので、致し方ありません。

コロナ前まで、売上はゆるやかに増加

びっくりドンキー

図 1「びっくりドンキー」の売上推移(「会社案内パンフレット」より筆者作成)

びっくりドンキー

図 2「びっくりドンキー」の店舗数推移(「会社案内パンフレット」より筆者作成)

  「びっくりドンキー」の売上・店舗数については「会社案内パンフレット2020年版」に2005年3月期〜2020年3月期の情報が載っていたのでそちらを参照しました。

  データが載っている16年間、売上高は580億円(2018/03)→594億円(2019/03)→614億円(2020/03)とゆるやかな増加傾向です(コロナが本格化した2021年3月期の売上はわかりませんが)。
  一方で、店舗数は330店舗(2018/03)→329店舗(2019/03)→329店舗(2020/03)
と、2015年をピークに減少トレンドにあります。

 ポイントになるのが、「直営店」と「FC店(フランチャイズ店)」の比率です。資料中では「総額・総数」は書いてあるものの、正確な比率が出せる数値がないので、グラフは「総数」で作成しています。比率については、大雑把に元グラフの色の面積(直営店=黄色・FC店=青色)で見分けるしかないのですが、売上・店舗数いずれも、過半数がフランチャイズ店舗で構成されていることがわかりました。

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