パン屋なのに忙しくない。32歳“元数学教員”店長の「プライドレス効率化経営」
焼かなくても美味しい「もちこ」食べてみた
筆者ももちもちしている食パン「もちこ」(500円)と巻き込み型のシフォン食パン「まっくろ小倉くるみ」(1000円)を購入してみた。
「もちこ」は、その名の通りもっちりしっとり。噛み心地もあって、耳まですごく美味しい。「まっくろ小倉くるみ」は、ミネラルたっぷり含んだ多良間産の黒糖の程よい甘さの中に小倉とくるみがたくさん入っていて、ずっしり重い。本当は焼く分を残しておこうと思っていたのに、分厚く切っていったら、あっという間に食べてしまった。
最後に学校の先生やったのは、今の仕事に役立ったのだろうか。気になっていたので聞いてみた。
「役立っています。頭の中の知識を整理して話せるようになったのは先生をやっていたおかげです。でも教員も会社員にも未練は全くありません。今後はデザイナー系の仕事、車のメーカーなど本当はやりたいことはたくさん。ゆくゆくはここを誰かに任せて好きなことやろうか……。でも自分の技術でお金になるのはパンだけだからなあ」
そうつぶやく「アルテの食パン」の店主32歳。今後もまだまだ進化は続いていきそうだ。
<取材・文/谷亜ヒロコ>