『呪術廻戦』に学ぶ「弱さを強さに変える」方法。コンプレックスに負けない
台詞3:「小さな絶望の積み重ねが人を大人にするのです」
もうひとつ、社会人が共感する、人気の高い七海のセリフを紹介しましょう。
「枕元の抜け毛が増えていたり
お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消したり
そういう小さな絶望の積み重ねが 人を大人にするのです」
(『呪術廻戦』3巻・第19話「幼魚と逆罰」より)
人間、若いころは小さいことをいちいち気にしてしまうものですが、大人になるにつれ、気にしなくなったり、すんなりあきらめるようになったりします。小さな絶望を積み重ねた結果、現状を受け入れるしかないことを理解する。
つまり、分別がつくようになったら、と表現してもよいかもしれません。七海らしく、大人の境地を良く表現しているセリフです。七海がビジネスパーソンに人気だという理由がわかります。
『呪術廻戦』には、こういった、私たちを叱咤激励するような強いセリフが数々あります。まさに、「自分を変えるための教科書」と言える作品なのです。『呪術廻戦』で描かれている呪いの元凶は、呪霊にしろ、呪術師にしろ、10代はもちろん、20代、30代、40代……子どもから大人まで、誰もが「あ、自分もそんなところがあるかもしれない」とふと思い当たる節のあることばかりではないか。私はそんな気がしてなりません。
負の感情を抱くのは仕方のない
虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇、乙骨憂太、五条悟をはじめとする、個性豊かな呪術師たちが、いかにして呪いと相対すべきかを教えてくれ、自分の中の負の感をどう退治すればよいかを示してくれます。人間が負の感情を抱くのは仕方のないこと。大事なのは、それをどう処理するかです。その方法がわかれば、誰もがマイナスのエネルギーをプラスのエネルギーに転じさせることができます。
コンプレックスを力に変える強力なメッセージを込めた作品、『呪術廻戦』には、ビジネスにも、プライベートにも通じる教えが詰まっています。
この本を読んでいただければ、きっと『呪術廻戦』のコミックスやアニメを一層深く楽しめると思います。そして、『呪術廻戦』を読み返し、あなたの心を支える『呪術廻戦』の名言や名シーンを探してみてください。『呪術廻戦』の学びから、あなたの人生が一層輝くものとなりますように。
<TEXT/心理キャリアカウンセラー 井島由佳>