客前で新入社員をコケにする“ブラック上司”を一喝した人物とは
客前にもかかわらず平気で部下や新入社員をコケにする上司は、パワハラという言葉が頻繁に叫ばれるようになった現代でも意外と多いようです。銀行に入社し、新入社員として頑張っていた西間賢人さん(仮名・当時24歳)の男性上司・伊藤さん(仮名・30歳)も、ヤル気を削いでしまうような困った上司でした。
入社した銀行にいたブラック上司
「客前でも平気で新入社員をコケにするので、新入社員はもちろん、部下からも嫌われていました。でも、伊藤さんは体格もよくて声も大きくて、逆らえない雰囲気というか威圧感があって誰も何も言えなかったんです。だから新入社員もどんどん辞めていって、僕も毎日、辞めることばかり考えていました」
そんなある日、来店したお客さんに挨拶をしたり用紙の記入方法を教えたりする案内係をすることになった西間さんは、お客さんからATMの操作について尋ねられます。マニュアル通りには説明したものの、そのお客さんには通じていないようでした。
困っている西間さんを見て、伊藤さんはニヤニヤしながら近づいてきたそうです。
威圧感たっぷりに叱責する上司
「そして、大きな声でお客さんに操作方法を説明したり、タッチパネルの対象部分を押す素振りを見せたりしながら上手に説明していました。そして、お客さんがスムーズに操作しはじめると、僕のほうに向き直って『声が小さいんだよ、声が! しかも、説明がわかりにくいんだよ』と鼻で笑いながら、威圧感たっぷりにそう言ってきたんです」
そしてそのまま、叱責は続きました。お客さんが少なかったという認識はあったものの、西間さんが住んでいる地域に根付いた銀行だったこともあり、自尊心は深く傷つき、顔も上げられないほどだったそうです。
「そのとき、『あら、あなたは、入社したときから仕事ができたの?』という女性の声が聞こえ、『あなたにも新入社員の経験があるはずよ。手取り足取り教えてもらう時期に、そんなに蔑んだ態度でネチネチ言われたら、覚えられるものも覚えられなくなるわ』と続けただけでなく、『そうですよね? 皆さん』と、ほかの銀行員にも問いかけたんです」