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“デキる男”は嘘だった!借金だらけの28歳が、母親に絶縁された借入方法

コラム

実は借金を取り立てに来た人だった

 しかし、「会社関係」を名乗る人物の正体は、実は借金を取り立てにやってきた金融機関の担当者でした。普段からYさんの自慢を由美さんから聞かされていたその担当者は、親切に対応してくれる由美さんを不憫に思い、自分の身分は隠して助言をしたそうです。

「詳しいことは言えないが、書斎に作業デスクしかなく、資料なども一切見当たらない。『パソコンも動くかどうか疑わしいほどの古いものだ』と言われました。さらに、世界を股にかけて仕事をしているとは、とても思えないとも」

 そう言われて由美さんは、昔のだらしなかったYの性格を思い出し、助言してくれた「会社関係の人」は「Yの借金を取り立てに来た人」ではないかとピンときます。そしてすぐに、Yの借金について調べはじめました。

「調べたら、それはもう、どんどん借金が発覚しました。夫が亡くなったとき、Yには現金以外に、実家の土地と建物を半分ずつ相続させました。にもかかわらず、あっという間にギャンブルや飲み代に現金を使い果たして、借金をはじめたようです。同じ日に多くの金融会社に借り入れの申込をしていたとか」

土地と家を勝手に借金の担保に

ひと悶着

「借りては返済する」を繰り返していたYでしたが、ついに金融機関各社にて上限額に達したため、相続した不動産の持分を担保に入れてしまったのです。土地や家屋の持分(自分の名義となっている部分)のみを担保に入れて支払いに詰まると、ほかの持分者(今回の場合は、Yの母)がそこに住みたい場合、借金を支払うことになります。

「本当にビックリしました。まさか、道楽をするために、自分の父親が必死に働いて築き上げた土地と家の持分を勝手に借金の担保に入れるとは……! 驚いたし、許せなかったです。最初から私に借金を払わせようとしたんじゃないかとも思いましたし、性根が腐っていると思いました」

 借金のことを追及するとすぐに行方を眩ませたYを、由美さんは、60年以上かけて積み上げてきたツテとコネで探し出します。そして、Yと一緒に各金融機関を回って全額返済。由美さんはすべての返済を終えたあと、Yに絶縁を突き付け、家から追い出したそうです

 最初は「ほんの少しだけ」のつもりで借りていても、気が付いたときには、利息も含めて元金が膨らんでいることはよくある話です。キャッシングやカードローンは手軽に利用できて便利ですが、返済についてノープランだと、自分だけでなく身近な人にも悲しい思いをさせてしまうかもしれません。

<取材・文/山内良子 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

特集[隠しごとがバレて一悶着!

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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