――サイト運営で工夫されている点はありますか。

佐藤：SEO効果を期待して、ランサーズを使って馴れ初めのエピソードを集めてコンテンツにしたのですが、ビックリするくらい効果がありませんでした。ほかには男性が登録することがないよう、ダミーのフォームを使って、一切入力を受け付けないなどの工夫をしています。

――30人分のプロフィールを用意するのは大変だったのでは。

佐藤：よくぞ聞いてくれました。30面もの自分を紹介するのだから、誰かには刺さるだろうと思って、無理やりひねり出しました。これだけ多様な自分を見てもらえたら、必ず受ける部分があるはずだと。大変ではありましたが、自分自身が新たな再発見もできました。

――実際に女性からの反響はあるのでしょうか

佐藤：ゲイの方からのアプローチがあります。他には仕様で受け付けてないにも関わらず、わざわざメッセージで「（男性なのだが）自分も新規登録させてほしい」といった相談も来ます。

　一応、女性からの反響もあって、舞台女優の方が「面白い」と思ってくれたようで、スカイプで何回かお話しました。その方とはそれっきりですが。ほかには、SNSで繋がる女友達が数人できた感じです。

30過ぎてから自分を「ねこポッポです」と紹介することに迷いが生じているそうだ

――テレビで取り上げられた反響はいかがですか。

佐藤：普段は1日40PVくらいのサイトなのですが、放送時点から1日経った時点で3万PVもアクセスがあります。サイト名が紹介されたわけでもないのに、わざわざ検索して辿り着いた方がこれだけいるのは驚きです。ほかには昔の友だちが見つけてくれて、久しぶりに連絡をもらってます。

「夜ふかし効果」でPVが跳ね上がっている（提供／佐藤さん）

――今後、「こういった活動したい」というのはありますか。

佐藤：「恋人探し.com」が、なぜかタイでバズってるので、語学留学の経験を活かして、英語Youtuberとして活躍したいですね。一応TOEIC915点あるので。

　ちなみに、以前「オモシロTOEIC」という英語学習教材を作って、僕が書いたスクリプトを21人の外国人にナレーションしてもらったんです。

「これで印税で左うちわだ」と思ってリリースしたら、1週間に1冊程度しか売れてなくて。Amazonの手数料引かれると1か月1000円くらいの収入です。2か月かけて作ったのに。

　あと、おもしろ系でなくて真面目なお役立ちコンテンツとして「未経験からWEBデザイナーへ」というサイトも運営してます。働き方や生き方に迷ってる方に見てほしいです。

――ご自身が20代で挫折を経験して現在があるわけですが、20代の読者にメッセージを送るとしたら。

佐藤：20代こそ黒歴史を量産すべきだと思ってます。20代でいろいろな挫折を経験して可能性が潰えたからこそ、残された道の中から自分に合うものを30代で選べたのだと思います。これが逆に20代で挫折や挑戦をまったく経験しないまま、40目前になって「やっぱりこの道は自分と合わないな」と気づいてしまったら、そこには絶望しか残りませんから。

【佐藤翔　@sato_s】
33歳、WEBデザイナー。週3日はアパレルブランドのWEBデザイン担当として働きながら、残り4日をフリーランスや趣味の時間にあてている。週5日働くとじんましんが悪化してしまう。三十路を超えてから、30過ぎ男が「ねこポッポです」と名乗ることに戸惑いを感じ始めている。公式サイトは「未経験からWEBデザイナーへ」