口座開設で1000円もらえる“Z世代向けネット銀行”に、プロが抱いた2つの懸念
みんなの銀行のちょっとした「こだわり」
リアルな店舗のない「みんなの銀行」で使われるバーチャル店舗の支店名だ。ふくおかFGの金融機関だから、地元の思いや、地元の人々の登録も多いだろうから、福岡支店や中洲支店、熊本支店、水前寺公園支店が出てくるかと思ったら、あるのは世界中の有名な橋の名前だった。
ポンヌフ支店(パリ)、ポンテベッキオ支店(フィレンツェ)、ブルックリンブリッジ支店(ニューヨーク)、ハーバーブリッジ支店(シドニー)、タワーブリッジ支店(ロンドン)、ゴールデンゲートブリッジ支店(サンフランシスコ)、レインボーブリッジ支店(東京)といった具合だ。
世界中のちょっとロマンチックな橋の名前ばかりなのだ。もちろん、パリのポン=ヌフ橋のそばに行っても「みんなの銀行」の支店はない。架空のデジタル上の支店名なのだが、バーチャルな店舗名くらいは遊んでもいいだろうということだろうか。
日本語名の店舗名であったのは、本店や為替センター。最後に見つけた日本語の支店名は、自行センター。自行って、自己の悟りのために励む修行のこと? と一瞬思ったが、金融のシステム管理などでよく使われる名称だと思い出した。筆者の修行が足りなかったようだ。
ネット上では、今日も1000円もらえるよ! という紹介コード付きの投稿が飛び交ってる。あれは、こういったカラクリだった。
<TEXT/経済評論家 佐藤治彦>