2浪&4浪した東大生が感じた“現役組とのギャップ”「飲み会はなぜか別々の組に」
東大で“人生の夏休み”は通用しない
――実際に入学する前と後ではどのような印象の違いがありますか。
安田:入学する前は変わった人が多いのかなと思ってましたけど、入ってみると割とみんな、いい意味で普通の大学生。あとは、授業が想像以上に難しいですね。
第二外国語の授業の比重が思っていたより大きいことや英語で論文書くことを求められる科目があるし、外国人の先生が一切日本語をしゃべらず授業を進めることもあります。
それに加えて、必修科目がとにかく多い。「大学は人生の夏休み」とも言われていますけど、まったくそんなことありません。3年次からの専門課程でも、他の大学が4年でやるようなことを2年間でやることになります。でも今は好きな分野だけやればいいので楽しいし、濃い勉強ができています。
――東大入学後も相当な勉強量をこなさないとならないんですね。
浦:私は入学時からTLP(トライリンガル・プログラム)という外国語のクラスに所属していました。入学時の英語の成績が上位10%に入った人を集めていて、帰国子女が多いクラスです。英語の論文を書く授業が1年生の最初にあるのですが、周りとの力の差を感じて相当苦労しました。
理科二類では、生命科学などの高度な理系科目も必修科目になります。そういった授業がまるで「理解していて当然」「すでに高校で生命科学を学んできたような雰囲気」で進むことがあります。
いわゆる変わり者だとか天才と呼ばれているような人は専門課程に多い気がしますね。私が所属する工学部の機械情報工学科には、専門課程に上がる前から電子工作をやっている人や、ロボコンに出場してきた人もいます。プログラミングの実習とかも余裕でこなせて、私は追いつくだけで精一杯でひぃひぃ泣きながら実習を受けるという(苦笑)。
現役組とのギャップを感じることも…
――現役組と多浪組の違いを感じたことはありますか。
安田:正直、多浪組と現役組の違いは感じたことはありません。ただカルチャーショックを受けることはありますよね。現役組の人って、開成とか筑駒とか灘とか毎年、東大合格者を輩出しているような進学校出身者が多い。だから現役で東大に入るのが当たり前みたいな感覚。
鈴木:入学して早々、同期で入学したみんなと食事をする機会があったんですけど、そのときなぜかテーブルが現役と浪人組に別れたのが印象に残っています。そのあとも一緒に遊びにいく人はなぜか浪人同士だけという(笑)。
坂本:安田君と同じでそんなに違いとかは感じませんけど、一緒にカラオケに行ったときとかに、ちょっと古い曲を歌うと高校の同級生ならみんな知っているような曲を誰も知らなかったみたいなことはあります(笑)。
――現役組から年長者として頼られる場面などはありますか。
安田:年上だから頼られるということはありません。東大は実力主義的なところがあって、勉強ができる人は頼られるけど、そうではない場合は頼られないんですよね。僕は物理学科なので、その分野では頼られるけど、逆に外国語とかは年下に教わることが多いんです。
平野:勉強できなくても「多浪するくらい勉強できないから」でごまかせる良さはありますね(笑)。