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大地震に遭遇したガイド師が、北海道で人気の「乗馬ツアー」を開くまで

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頂点をお金にする生き方にはしたくない

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 最後に中川さんに大事にしていることは何か? と聞いてみた。

「自分は特殊な人間だとは思うんですが、周りの価値観に左右されないようにとはいつも思っています。お金は大事ではないとは言いませんが、昔からピラミッドの頂点をお金にする生き方はしたくないとも思っていました。ニュージーランドでは仕事が終わるとみんなでパブに集まってビールを飲んで、明日も頑張ろう!って生活でした。人が少なく、自然が近く、空気が美味い! 小さなコミュニティがとても心地よかったんです。浦河の生活もほぼ同じです。そして温かい人が多いのも魅力です。すごく心地いい。そんな土地で仲間たちと一緒に未来を作るという今の仕事には大きなやりがいを感じています」

「日本でもう一度観光と向き合います」。中川さんは最後に笑ってそう言った。

 その街の地域資源をありのまま語ることで外から訪れる人を感動させる仕事であるガイド業。欧米との差はまだ大きいが日本でも今後、中川さんのようなこの仕事にスポットを当ててくれる方がますます増えることを願っている。

<TEXT/森 成人>

関西大学卒業後、1999年リクルートに入社。新規事業開発の仕事を経て、2013年4月より被災地気仙沼市へ出向。仮設住宅暮らしをつづったブログ「気仙沼出向生活」が話題。現在はじゃらんリサーチセンターに所属しながら気仙沼市復興アドバイザー、さらに観光庁登録の専門家として地域活性の仕事に従事

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