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仮想通貨流出で溶けた100万円。31歳男性が失って始めて気づいた境地

コラム

投資を続けたのが、不幸中の幸い

今田正さん

今田正さん

 いきなり流出したことにより仮想通貨の信用も下がり、そのまま価値は急落していきました。プラットフォームから出金できない状態は翌日以降も続き、今田さんはそのまま自分の資産が減っていくのを呆然と眺めることしかできませんでした。

 流出事件が起こる前に130万円ほどあった資産は、数日後に30万円ほどにまで減ったといいます。流出事件が起こってからおよそ2週間後にようやく出金ができるようになりましたが、すでに手遅れだったのはいうまでもありません。

 仮想通貨を始めて約1か月で100万円ほど資産を溶かしてしまった今田さんですが、その後も投資を続けました。「二度と仮想通貨なんかやるもんかと思いましたが、諦めない気持ちも捨てきれず……。結局残った資産30万円のうち、10万円だけを取引所に残しておきました」。

 この決断が不幸中の幸いでした。流出事件から3年弱ほど経った2020年後半から再び、今田さんが投資していた仮想通貨の価値が再び急騰し始めたのです。

仮想通貨は「のめり込まず気長に」

「2020年の11月ぐらいから、再び投資していた仮想通貨の価値が急激に上がり始めました。流出事件直後に値段が暴落した当時から比べると、現時点で投資している仮想通貨の値段は10倍ほどに上がっています」

 仮想通貨の価値が右肩上がりになっていく状況を見て、その後さらに30万円ほど追加投資を行った今田さん。現在では当時溶かした100万円ほどを取り返せるほど儲けたといいます

 今後、まだ投資するのかと聞くと「最近の上がり方だとまだまだ値段も上がりそうだし、プラマイゼロ近くまで戻したけどまだ出金はしないですかね。今でも仮想通貨の攻略法はイマイチわからないですし、あまりのめり込まず気長に待ちます」

 仮想通貨は変動も激しいので、増えたらラッキーと思うぐらいの軽い気持ちが一番だと、投資直後の失敗を振り返りながら語る今田さん。これから仮想通貨もやろうとしている方々も、いきなり高額を投資するのではなく、気楽に遊ぶ程度が無難なのかも。

<取材・文/佐藤隼秀>

1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬

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