仮想通貨流出で溶けた100万円。31歳男性が失って始めて気づいた境地
2021年4月には、ビットコインが一時期700万円を超えるなど、再度話題となっている仮想通貨市場。今では多くの人に馴染みのある仮想通貨ですが、もともとは2017年後半ごろ世界的にブームとなり、価値が急騰し始めました。
会社員の今田正(仮名・31歳)さんは、仮想通貨の価値が上がっていく状況に乗っかろうと、軽い気持ちから仮想通貨への投資を始めたといいます。
投資開始1か月で思わぬ事件が…
「投資を始めようと思った当時、値段が1か月で10倍近く跳ね上がっている仮想通貨もありました。当時放映されていたビットコインのテレビCMにも影響を受け、『簡単に不労所得を得られるのでは』と130万円ほど投資しました」
2017年12月に投資してからも、着実に仮想通貨の値段は上がっていき、順調に資産が増え続けていたという今田さん。
ところが、投資してから1か月ほど経った2018年1月に思わぬ事件が起こります。投資していた仮想通貨の取引所から、約580億円分の仮想通貨が外部からの不正アクセスにより流出してしまったのです。勤務終わりに仮想通貨の値段をチェックしてみると……!
2週間後には手遅れに
「通勤途中の朝は何の異常もなく順調だったのに、会社帰りの夜に取引サイトをみたら30%ほど資産が減っていたんです」
投資していた仮想通貨が急落しているのを目の当たりにした今田さんは、一刻も早く投資していた全額を引き出そうとしました。しかし、ここでさらなる衝撃の事態に直面します。
「仮想通貨の取引を行なっているプラットフォームから日本円に換金しようとしたら、出金できない状態になっていたんです。そもそも仮想通貨を取引するサーバー自体が機能しておらず、事態に気がついた時にはどうしようもない状況でした」
なんとか出金する方法はないかと、同じプラットフォームを使っていた他のユーザーの状況を掲示板で確認したものの、打開策は見つかりませんでした。