賛否両論の「#クソ物件オブザイヤー」主催者を直撃「運営収支は?」の回答は…
アワード運営の台所事情はどうなっている
――LINEスタンプの販売以外にも、スポンサー企業の獲得など新たな取り組みがありました。施策の手応えや来年に向けての展開がありましたらお願いします。
グル:スポンサーがついたとはいえ、「#クソ物件オブザイヤー2017」の運営収支は大赤字で、全宅ツイ会員有志のポケットマネーで運営されている状況です。何とか運営費を捻出するために、会員であるどエンド君(@mikumo_hk)が所有する借地権区分スナックを「三為」(※中間省略による転売のこと)で売り飛ばすという、苦渋の決断も今年はございました。そのため、来年はクラウドファンディングを活用することで一部運営費を募りたいと考えております。
――カモマークの全宅ツイバッジおよびセンチュリオンバッジが好評なようです。
グル:当初から「最優秀賞受賞者以外の受賞者にも何か配ろう」というアイディアがありまして、全宅ツイマークのバッジを作りました。その途中で、「全宅ツイ幹部用のゴージャスなバージョンも作ろう」ということでベルサーチ風の幹部用バッジ、通称「センチュリオンバッジ」が誕生しました。
ゴールデンジャケットで知られる某大手不動産仲介会社では、成績上位4%の社員や店舗をセンチュリオンとして表彰する制度があり、それをリスペクトしたものとなります。
弊団体のセンチュリオンバッジは20個しか作成されておらず、大変に貴重なものとなっております。そのため現在メルカリでは、42万5000円もの高値がつけられて出品されていると聞いております。
「#クソ物件オブザイヤー2018」に向けて
――今年は各メディアで全宅ツイおよびクソ物件オブザイヤーが取り上げられました。そのことから「今が天井」、「来年は何人残るんだか」、「次回はサイゼリヤが会場」という見方を持つツイッタラーもいるようです。
グル:正直なところ天井感は半端ないですね。不動産の世界では「バブル崩壊への道は最高益で舗装されている」と申します。
不動産相場が暴落したときに、「知り合いの不動産会社の社長が居酒屋でバイトしてたのを見た」というのは不動産業界ではよくある話です。だから「クソ物件オブザイヤー2018」の総会会場で私がドリンクを運んでいても何ら不思議ではありません。
――2018年もグルさん主導のもと、全宅ツイは活動していくのでしょうか?
グル:全宅ツイの創始者は私ですが、会の大きな方針および決定事項などは新宿太郎総帥のご指示を仰ぎながら運営していくことになります。
最後にこの場を借りて、「クソ物件オブザイヤー2017」の閉会に際して読み上げた声明の一部をご紹介させてください。
「信用している人から紹介され、やり取りを重ね、取引をして形成されていく不動産業者同士の“信頼”、その形成の過程をどこまでいんたーねっつで端折れるか、その壮大な社会実験を総称して全宅ツイと呼びます」
我々全宅ツイは、この声明を旨としてコケるまで全力で走り続けたいと思います。それでは、来年も、人と不動産の関係がもっと良くなりますように!!
――ありがとうございました。
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「人と不動産のより幸せな関係」の実現のため、各種提言を業界内外へと行っていく全宅ツイ。とかく風刺が効いたドギツさばかり注目されがちですが、彼らの活動によって業界内へ自浄作用を促す意見団体のような面もあります。
不動産を通じて豊かで美しい社会を次世代につなぐ橋渡し役とも言えるのではないでしょうか。2018年はどのようなクソ物件が我々の前に登場することになるのか。全宅ツイの活躍とともに目が離せません。
<取材・文/栗林 篤>