20代は月いくら貯めるべき?ケチケチしない「貯金のルール」
一人暮らしVS実家、貯金しやすいのは?
山口さんは「今は貯金がしやすい時代」だと話す。
「ネットがここまで普及していない時代は、クレジットカードを使っても翌月に請求がきてはじめて使った金額を認識する人がほとんどでした。また、さらに細かく何にいくら払っているか把握するには、家計簿をつけるしかありませんでした。今はこれらのすべてをオンラインにすることで簡易化することができますから、便利なものはどんどん使ってほしいですね」
ところで貯金と言っても、人によって前提となる環境が異なる。「実家暮らしか一人暮らしか」「都市部か地方か」によるメリットや注意点を聞いてみた。
「一人暮らしは家賃や光熱費などを全部自分で支払うのでお金のことを真剣に考える傾向があります。一方、実家暮らしの場合だとまったく考えていない人が多いです。
地域や収入、実家にお金を入れているかなどによる違いもありますが、例えば都内なら、実家暮らしの場合は一人暮らしよりも月10万円多く貯金することができるはずです。とはいえ、実際にそれだけの額を貯金している人は、かなり少ないように思います」
都市部と地方で、貯金しやすいのは…
続いて「都市部か地方か」。
「地方の場合は、イオンなどの大型ショッピングモールに行けば欲しい物の多くが手に入ります。しかも比較的安価です。都市部は、専門店などは多いですが、身近なところで安くていいものは見つけにくいです。
地域によっては魚や野菜が非常に安かったり、もしくはたくさん採れたからおすそわけでもらえるというところもあるでしょう。よって、食費も都市部よりも安く済むというケースが多いです」
こうみると地方に圧倒的に軍配が上がりそうだが、一概に地方が貯金しやすいかというとそうではないという。
「ここまでの話はあくまでも『収入が同じであれば』という前提があっての話です。実際には、平均収入には地域差がありますから、物価が安いというだけの理由で地方へ移住すると痛い目を見るかもしれません」
実際に地域によって賃金の差があり、平均賃金で見ると東京が379万円でもっとも高い。しかし、47都道府県中37都道府県は300万円に達していないなど、大きな差がある(令和元年 厚生労働省発表)。
貯金のしやすさは、お金に対する意識や収入、環境によっても違うことがよくわかる。とはいえ、まずは気軽な気持ちで貯金にチャレンジしてみてはどうだろうか。毎月すべてのお金を使い切るよりも、有意義な生活が待っているかもしれない。
<取材・文/菅谷圭祐>
【山口京子】
1966年名古屋市生まれ。金城学院中学、金城学院高校、金城学院大学卒業。情報サイト・オールアバウト「家計簿・家計管理」「お金美人のすすめ」執筆、テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。著書に『お金持ち名古屋人八つの習慣』などがある