月給8万社員から一時はホームレスに。人気YouTuberが明かす“壮絶な過去”
自殺願望を持つも、のし上がった
――きっと全力で働いている姿が評価されたんですね。
えみ姉:でも、全然うまくいかなくて。「副店長だからちゃんとしなきゃ!」と気負っていたし、強気な部分もあって、空回りしていました。ベテランの店長にも「こんなに仕事ができない副店長は初めて!」怒られてばかりで、自信を失いましたね。しかも副店長になって遠くに越してきたばかりで、愚痴を言えるような知り合いもいなくて……。
遠距離恋愛中の彼氏が心の拠り所だったんですが、彼とも別れることになってしまい、「死にたい」と思うくらい病みました。気が付いたら体をかきむしっていたりとか、ストレスで心身がおかしくなっていましたね。
――そこまで心身が追い込まれていた状態から、どうやって復帰したのですか?
えみ姉:「死のう」と思った時に「いや、死ぬくらいならもう気にせず好きに行動していいんじゃない?」と思ったんです。思い立ったらすぐに行動するタイプなので、次の日すぐ店長に「もっと仲良くなりたい、オープンに話したい」と素直な気持ちをぶつけました。
それからは店長とも打ち解けて、他スタッフとも仲良く仕事ができるようになったんです。約2年後、無事に会社からも評価されて、店長に昇格できました。
悪口ばかりの険悪店を仲良し店に変えた
――店長になってからは順調にいきましたか?
えみ姉:いえ、全然(笑)。副店長になった時みたいに「店長なんだから厳しくしなきゃ!」と変に構えてしまって、だれもついてきませんでした。そもそも店長を任された店舗はギスギスしていて、全員が悪口を言い合っていたんです。そこによそ者の私が店長として急に入ってきて厳しく指導しようとしても、うまくいくわけないですよね。
みんな私を好きになれないし、私もみんなを好きになれない……どうすればいいんだろうと思って、人間心理やマネジメントの勉強もしました。それで「スタッフを指導するんじゃなくて、スタッフに助けてもらおう!」と発想を変えて、友達感覚で接するようにしました。
その店舗のことを一番よく分かっているのは、あとから入ってきた私じゃなくて、前から働いているスタッフですよね。だったらむしろ教えてもらおうと思ったんです。「マニュアル対応するんじゃなくて、お店のことを分かっているみんながいいと思うやり方で仕事しよう」と言って、みんなとの距離を縮めました。
――でも、お店に染みついている風潮を変えるのは大変だったのでは?
えみ姉:まだお店の色に染まっていない新卒の子に率先して歩み寄りました。みんなも入ったばかりの子にはそこまで厳しくしないので「店長がああやって歩み寄っているなら自分もそうしよう」って気持ちになりやすかったみたいです。
それで不仲だった店舗の雰囲気がだんだんやわらかくなって、お互いにあだ名で呼び合うようになって、飲み会もするようになって……家族レベルの親密度になりました。当時のスタッフは、辞めた今でも連絡を取り合うくらい大切な存在です。