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文房具でヒット連発、キングジム開発者の発想法「10人中1人でも欲しがる物を」

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iPhone 4の普及が商品化の決め手に

 しかし、商品化に向けて企画を考えて上司に提案したところ、当初は“ボツ”にされてしまったという。まだスマホが出始めた頃で、時代を先取りしすぎたあまり、未成熟な市場に出すのはタイミングが早いと判断された。

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2011年2月に発売された「ショットノート」。初年度販売目標は15万冊を予定していたが、次世代文房具として注目され、初年度販売数はシリーズ合計で約100万冊を記録したという

転機だったのはアップルのiPhone4の登場ですね。スマホの普及がさらに進んでいく時代の流れから、経営層からスマホと連動させた商品アイディアを求める声があがったので、温めておいた『ショットノート』を再度提案したところ、商品化に向けて具体的に動くことが決まったんです」

 そして、ノートカバーをアップデートさせる形で2011年に発売した「ショットノート」は次世代のノートと銘打つ画期的な商品として大きな反響を呼ぶこととなる。

 こうして「手書きメモをすっきりデジタル化」するというコンセプトのもと、ノートに手書きでメモを記す“アナログ”と、スマホのアプリで撮影する“デジタル”を融合させた斬新な「ショットノート」が誕生したのだ

雑談レベルの“お茶会”からネタが生まれる

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 遠藤氏は開発者として、アイディアのネタとなる情報を常にインプットできるよう意識しているそうだ。なかでも、一番大事にしているのは「気の合う仲間同士のゆるい雑談」だという。

“お茶会”と呼んでいるんですが、休憩室や食堂にモノづくりが好きな社員同士集まって、『ああでもない、こうでもない』と商品アイディアの意見を交わすんですよ(笑)。部署関係なく、自由に話し合える環境なので、お互いアイディアを毎回持ち寄る。

 そのうち自然と『いいものを作りたい』『整理術やライフハックを知りたい』という同じ想いを持つ集まりになっていましたね。ステーショナリーの開発って、1人では成り立たないから、部署を超えたコミュニケーションを行える社風こそ、キングジムがユニークな文房具を生み出せる要因になっていると思います」

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