「紅茶市場はまだまだ成長する」

「今回、無糖ストレートティーおよびロイヤルミルクティー、クラフティーの新しい紅茶花伝のパッケージデザインを開発するにあたり、パッケージの『紅茶花伝』のフォントを少しだけ丸みを帯びさせ、ポップな印象を強めたものも、候補として考えましたが、事前の調査で『紅茶花伝のイメージと合わない』とか『パッケージ全体のイメージが変わり過ぎる』といった声が多く聞かれて驚きました。

　ほんの少しの変化だと思ってもお客様は感じ取って、それが違和感があるものだと離れていってしまうリスクがあるのだと、改めて痛感しました。“紅茶花伝らしさ”を大切にしつつも、時代に合わせて前向きに受け入れてもらえる変化は必要だと思うので、デザインも味も常に進化していかなければならないと考えています」

　新商品の発売、看板商品のフルリニューアルと、近年、商品の充実に力が注がれているが、変化しているのは商品だけではないという。

「紅茶花伝シリーズはこれまで、広告などコミュニケーション活動をカテゴリー（フルーツティー、ミルクティー）によって別々に打ち出し、パッケージデザインも2020年までは統一しませんでした。今後は紅茶花伝シリーズとして統一のPR戦略を打っていきます。やらなければならないことはまだまだあるが、市場の伸びしろが大きいだけにこれからもチャレンジしていきたい」

　普段は紅茶を飲まない人も、これが飲み物の新たな魅力と楽しみ方に出合うきっかけになるかもしれない。

＜取材・文／菅谷圭祐＞