企業との相性がわかる「お試し転職」経験者が語る、リアルな雰囲気
日経HRが2020年9月に発表した「ウィズコロナ時代の転職意識調査」によると、新型コロナウイルス感染拡大により、57%の人が転職意欲を高めている(「日経キャリアNET」登録会員を対象に調査)。転職のきっかけはさまざまだが、なかには「転職してもすぐにパフォーマンスを発揮できるのか不安」という少なくないだろう。
そんななかで注目されているのが、転職前に副業として働き、企業との相性を確認する「お試し転職」だ。エン・ジャパン株式会社が運営する「エン転職」や株式会社YOUTRUSTが運営する副業・転職のキャリアSNS「YOUTRUST」など、任意で転職のお試し期間を設けるサービスが増加している。
転職先の雰囲気に合わせられず
実際にお試し転職を利用した経験のある村上未萌さん(27歳)は2か月間のお試し転職を経て、2020年12月、企業法務を専門とする法律事務所ZeLo・外国法共同事業に正式入社した。現在は広報・マーケティングを担当している。
通常の転職活動ではないルートを選んだ背景には、新卒入社した法律相談ポータルサイトの運営企業からの転職で、つまずいた過去があった。
「法律がわからない人にとっても、身近に感じてもらえるコンテンツを作ってみたいと考えていたんです。たまたま出会ったキャリアアドバイザーの方に『あなたにピッタリの企業がある』と、あるIT企業を紹介してもらいました。
そのままとんとん拍子で面談が進み、入社することに。たしかに業務内容は編集だけでなく、マーケティングにも関わることができ、希望していたものに近かったのですが、企業の雰囲気と自分の性格が合わず……結局、1年ほどで退職を決意しました」
お試し転職で、社風に合うかわかった
村上さんは「雰囲気の合う会社で、編集スキルを活かして組織全体を活発にする仕事をしたい」と転職先を探すようになり、そこで、友人のSNSで冒頭にも紹介した「YOUTRUST」の存在を知り、現在の職場・法律事務所ZeLoからスカウトを受ける。
しかし、「また転職後に雰囲気が合わなかったらどうしよう」という不安な気持ちは拭えなかった。
「なので、お試し転職で働いてみたんです。すると、外から見えていた事務所のイメージとあまり変わらず、むしろもっとここで働きたい! という気持ちが湧いてきた。他の会社からも声をかけていただいていて、迷った部分もありましたが、ここに転職を決めました」
村上さんは2か月間、週に8時間ほど働いたあと、同事務所へ転職することに。
「面接で会えなかったメンバーと一緒に働くことで、職場のほがらかな雰囲気や法的サポートの変革へ向けて取り組む企業姿勢を知ることができました。仕事のイメージがつかめたので、正式入社後もすぐに業務に入っていけましたしね」