越智ゆらの、元Popteenモデルが「芸能界を辞めようと思った」女優業への転機
挫折したときは、幸せを溜めているとき
――ご自身もそうでしたか?
越智:本当にお恥ずかしい話をしますと、いまよりも昔のほうが自信があって、絶対にモデルになれるって気持ちでオーディションを受けたんですよ。『Popteen』のモデルになれたときもまだ自信があったけど、撮影をしていくうちに、自分よりかわいい子がたくさんいることを知って、どんどん自信を失くしていったんです。
でも、そのときの自分を今見たら、それなりにかわいかったので、わたし自身もうちょっと自分を見つめ直すことが必要だったとは思います。若ければ勢いも大切かなって(笑)。
――挫折をしても腐らずに前に進める秘訣は何でしょうか?
越智:わたしの場合、挫折した後に必ず良いことがあるんですよ。挫折や悲しい出来事があった夜、本当に涙が止まらないほど泣いたこともあったんですけど、その直後って本当に決まって、めちゃくちゃいいことがあるんです。その涙を超えるくらい、いいことが起きるんですよ。
これはわたしの人生のものさしでしかないので、みなさんに当てはまるかはわからないけれど。わたしの場合は、挫折したときは、幸せを溜めているときだなって思うようにしています。だから挫折が大きければ大きいほど、それだけの幸せが次にくるだろうと思って生きています。実際そうなんです。
いいなあの裏側を心がける
――最後になりますが、同世代にはどういうメッセージをいただけますか?
越智:このお仕事はすごく特殊で、同世代とは全然違う生活なので、みなさんから見たら、いい世界に見えるかもしれないけれど、いいことがあればあるだけ、その裏側には大変なこともある。わたしたちの世界に限らず、みんなが見ているキラキラな世界の裏側には、そのキラキラを一生懸命作っている努力が必ずあるものなんです。
どうか働いて苦しいと思っている方がいたら、そこへの熱量や愛情がなければ辞めたらいいと思うけれど、そうじゃなくて、輝いている人を見ていいなあと思うことがあるとしたら、そのいいなあの裏側では、努力や苦しい思いをたくさんしているってことを思い出す、物事を見るときに裏側まで見つめることを心がけると、すごく生きやすくなるのかなって思います。
<取材・文・撮影/トキタタカシ>