中国で拘束された日本人が懲役刑に。現地の外国人からは不安の声が
2021年1月13日、中国国内でスパイ容疑で拘束されていた日本人男性2人の懲役刑が確定したことが明らかになった。うち1人は2015年に拘束、懲役12年の判決を受け、もう1人は2016年に拘束、懲役6年の判決を受けていた。2人は北京にある裁判所に控訴していたが、2020年に棄却されている。
拘束される理由は不明瞭なまま
2019年9月にも北海道大学の教授が日本へ帰る直前に北京の空港で拘束される出来事があった。同教授は中国の近現代史を専門とし、国家機関に勤務経験があることから、こういった専門性や経歴が影響した可能性もある。
国立大学の教員である準公務員が拘束されたのはこれが初めてである。2015年以降、中国ではスパイ容疑で日本人15人が拘束されたが、どのような行為がスパイ容疑に当たったかははっきりしていない。
日本人以外の拘束も後を絶たない。2019年8月、香港の英国領事館に勤務する職員が中国本土へ出張した際に突然拘束され、同年1月にも中国政治を論評するオーストラリア国籍の作家の男性が、ニューヨークからの便で広州に到着した際に拘束された。
民主派の議員らの逮捕も相次ぐ
一方、中国では2020年6月に香港国家安全維持法が採択されたが、それに基づく逮捕事例が増えている。中国の深セン市と接する香港の元朗区では2020年7月、習近平政権に批判的な民主派の立法会議員を含む男女5人が公務執行妨害といった容疑で逮捕された。
5人は同区にあるショッピングモールで中国を批判する抗議活動を行い、うち1人は「以前の香港を取り戻す」と書かれたプラカードを掲げていた。また、2021年に入っては1月6日、民主派の前議員や区議会議員など50人あまりが国家転覆を狙った疑いで一斉に逮捕された。
12