淵上泰史、ガンバ大阪ユースから俳優の道へ。自分支えた「見返したる!」の精神
世界的写真家との出会いも経て
――発破をかけてもらえてよかったです。
淵上:そうですね。余談ですが、僕が19歳の時、世界的に有名な写真家ブルース・ウェバーに撮っていただくことがあったのですが、それもコム・デ・ギャルソンのスタッフの方のおかげです。
話を戻しますと、大学4年の時、平日はサッカーをしながら、土日に役者の養成所に行き始めました。周りは就活していますし、「え、俳優になる? お前が?」と白い目で見られていたと思います(笑)。
養成所では事務所に入っていないのは僕だけでしたし、そこにいる先輩方に芝居のことでいろいろ言われる訳です。入所して半年くらい経ってふとある時、僕はここにいるとダメになると思って、辞めました。
大学を卒業してバイトをしていたとき、日大芸術学部の人たちと出会う機会があって、卒業制作の映画に主演させていただくことになりました。そこに助監督のひとりとしていたのが藤井道人です。
『新聞記者』の藤井監督と安い酒を交わした
――『新聞記者』の藤井監督ですね!
淵上:そこから藤井監督とふたりで映画を作ったりしました。僕が撮影をして、藤井監督が芝居をしたことも。土砂降りの雨の中、2人で撮影していた事もありましたね。たまに居酒屋で安い酒を飲みながら、「どうしたら売れるんだろう」とふたりで話してました。
――『青の帰り道』『デイアンドナイト』ではプロとして一緒に仕事ができて、感慨もひとしおですね。
淵上:藤井監督は凄く活躍されていますが、僕はまだまだです。
――ぜひとも今後も数年おきに、プロとしてタッグ作を積み上げていってほしいです。そしてまずは、普段の淵上さんとは全くテンション違う姿が見られる本作をチェックですね。
淵上:はい。よろしくお願いします。
<取材・文・撮影/望月ふみ>