スマホのデータ容量が不足したら。「写真クラウド」はどれを選ぶべきか
写真クラウドを使うとどうなる
写真に特化した代表的なクラウドサービスには、以下のものがある。
● Googleフォト
・無料で15GBまで利用でき、有料プランは月250円(100GB)から。
・Googleが提供するサービスであり、Androidスマートフォンとの親和性が高い。以前は条件付きで「無料・無制限」の利用が可能だったが、2021年6月にこの特典は終了することが報じられた。
● iCloud
・無料で5GBまで利用でき、有料プランは月130円(50GB)から。
・iPhone・iPad・Macとの相性が抜群。無料プランの容量が僅少である一方、有料プランの維持費は安い。「Apple One」にも含まれており、「Apple TV+」など他のサービスと合わせて契約するとお得感がある。
● Amazon Photos
・無料で5GBまで利用でき、Amazonプライム会員なら追加費用なしで無制限に利用できる。
・参考までに、Amazonプライムの月額料金は500円であり、Googleフォト・iCloudの2TBプラン(各1300円)よりも安値に付ける。ただし、無制限でアップロードできるのは写真のみとなる(動画は対象外)。
● その他(写真に特化していないもの)
「Dropbox」→実績のあるオンラインストレージ。ファイル共有もでき、PC/Mac/iOS/Androidから利用できる。
「OneDrive」→Microsoftが提供するオンラインストレージ。Windows 10ならシームレスに利用でき、利便性が高い。
手持ちのスマホやタブレットに最も適したサービスを使うのが最善だが、いずれのサービスも各種スマホ・PC・Macに対応しているので、どれを選んでも問題ない。
また、いずれも「無料会員」と「有料会員」で利用可能なストレージ容量が異なる。定額制を取っており、解約後は一定の条件でデータが消去されるため、特に大事な写真であればこそ「永遠に残せる」とは考えるのは危険だ。
本当に「クラウド」でいいの?
写真の共有がワンクリックでできるなど、写真クラウドが便利なのは間違いないのだが、気をつけておきたいことがある。クラウドサービスの設計思想は、単なる「バックアップ」とは異なるという点だ。
クラウド以前の考え方ならば、手元にあるスマホやパソコンが“本体”で、アップロード先のサーバーはあくまで“一時的な保存場所”だった。しかしGoogleやAppleなど、クラウドサービスを提供する側の考えはこれと真逆だ。
クラウドの思想では、“恒久的な保存場所”はクラウドサーバーであり、スマホ本体のストレージこそが“一時的な保存場所”として扱われる。スマートフォンにインストールした「Googleフォト」などのアプリが、しきりにスマホ本体から写真を消去しようとするのもこのためだ。
正直なところ、この仕様はユーザーの直感にも、期待にも反している。我々ユーザーは、物理的に手が届かず、しかも月額使用料が必要な借り物のストレージのことを“恒久的な保存場所”だと感じてはいないのだ。
クラウドではなく、自宅のハードディスクに保存するようにすれば固定費はかからない。ライフスタイルに合わせて賢く選択しよう。