モデルから人気女優に、池田エライザ「女優という仕事を好きになった瞬間」
モデルとしてスタートし、映画『みんな!エスパーだよ!』(2015)のヒロインに抜擢されて以降は、女優として引っ張りだこの池田エライザさん(22)。
事故物件の事故履歴を消すアルバイトをしている、霊感のあるヒロイン・御子役で主演を務めたハートフルコメディ『ルームロンダリング』が公開中です。
ヒロインが読書好きであることにあわせて、読書家としても知られる池田さんの好きな本について、また、女優として感じている変化などを語ってもらいました。
「御子ちゃんは私のとても近いところにいる」
――御子ちゃんはセリフの少ないキャラクターですね。でも御子ちゃんの性格や気持ちがすごく伝わってきたので、観ている間、セリフが少ないとは意識していませんでした。
池田エライザ(以下、池田):私も意識してないです。頭の中ですごくおしゃべりをしている子なので。何日も人に会っていなくて声帯を使わなかったりすると、声の出し方が分からなくなったりしますよね。御子ちゃんもそんな感じというか。
自分のなかではいろいろ単語が出てきているんだけど、口から言葉を出すのが難しくて、でも出した言葉しか相手には受け取ってもらえないから、それに対する恐怖があって余計に言葉が出ない。セリフが少ないというのは脚本の段階では分かっていましたが、お芝居が始まってみると、すごく頭のなかでしゃべっていました。
――読書家だったり絵を描いたりしている御子ちゃんは、池田さん自身と近いですか?
池田:私の日常に近いですね。本はお仕事で読むというのもありますが、私も普段、絵を描いたり、家で丸まって作業をするのが好きです。
ローテーブルとソファの間の床に座って、丸まって絵を描くんです。その隙間にちっちゃくなっているのが好き。御子ちゃんは私のとても近いところにいる主人公でした。
――『ぽっぺん先生と帰らずの沼』をはじめとして、私も御子ちゃんと本の趣味がぴったりでした。
池田:本当ですか! 登場した本は片桐(健滋)監督が選んでらっしゃるんですが、私も好きな本がいくつかありました。『レクトロ物語』とか。
お風呂で読書しているシーンでは、本当に読んでいました。『フラニーとズーイ』も好きだし。登場していない本では、御子ちゃんは『モモ』とかが好きなんじゃないかと思いました。
もし自分が幽霊になったら?
――御子ちゃんはワケあり物件を移り住みますが、池田さんが少ない荷物で引っ越しをするとしたら、どんな本を持っていきますか?
池田:岩波文庫の小説はよく読んでいますね。表紙の感じも好きで。いつも好きだと言っているジョルジュ・サンドの『愛の妖精』も岩波文庫のものを読んでいますし、マーク・トウェインの『人間とは何か』とか、トマス・モアの『ユートピア』とか。あとは『サロメ』の戯曲とか。現代的なものよりも、昔からある、人にも読んでみてとプレゼントしたくなるものを持っていきます。
――登場した幽霊たちは、みんな思い残しがありました。もし自分が幽霊側になるとしたら、残してしまいそうな未練はありますか?
池田:未練がないように生きなきゃって考えるんですけど、絶対無理だなっていつも思います(笑)。ある視点では退化しているかもしれないけれど、でも、私が見ても分かるくらいのスピードで進化していく地球のなかで、まだ解明されていないことが解明されていく。そうした世の流れをずっと見ていたいです。
NASAに潜り込んで、「あ、その情報出しはもういけるんだ」とか「ふーん、これは出さないのね」とか。秘密結社はあるのかとかも気になるし。