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性転換した“元女性のホスト”が歩んだ半生「同じ悩みの人の背中を押したい」

学び

元女性だと公表し一気に話題に

「結局、声をかけてくれた経営者の方のお店には入らなかったのですが、ホストやってみたいなと興味を持って。伝説のホスト・流星さんのいる『トップダンディーファイブ』で働かせてもらうことになりました。流星さんは僕が元女性だということに対し、『涼は人生の振れ幅に魅力がある』と評価してくれて。この人のもとで働きたい! と思ったんです」

 こうして2020年5月末、「トップダンディーファイブ」へ入店する。ホスト未経験ながら、水球で日本一になった努力家な面や社会人経験で経た勤勉さでお客さんの心を掴んでいった。しかし、元女性だということは、当初はあえて隠していたという

「今のホストはTwitterが大きな営業ツールになります。元女性というネタを武器に、Twitterを活用しない手はないと思ったんです。だから最初の2か月はあえて間の抜けたホストを演じて、2000人くらいフォロワーを増やしました。それから注目が集まりはじめたとタイミングで、元女性であることを公表しました。さらに、水球で日本代表になったことも投稿したら一気に話題になりましたね」

ナンバー1ホストを目指す

成宮涼さん

代表を務める流星さん(画像左)も成宮さんの人柄に太鼓判を押していた

 特異なバックボーンに注目が集まり、取材を受けたり、ホストのYouTube番組などにも呼ばれるように。

「お店に来たお客さんに『本物だ!』と言われることも増えました(笑)。ただ、今は話題が先行していて、指名にはつながっていない。まだまだこれからです」

 先月はナンバー8だった成宮さん。今後の目標は、やはりナンバー1。

「ホストを始めた大きなきっかけは、男の世界で元女性がどれだけ戦えるんだろうと興味を持ったから。小さいころから性が原因でいじめにあったり、心ない言葉を浴びたりしていました。

 そんな僕でも、勝ち上がってナンバー1になれるということをLGBTで悩んでいる人に見せたい。自分が活躍することで『LGBTQで悩んでる人の背中を押せられたら』という思いでやっています。まぁ、ただ単に負けず嫌いなだけなんですけどね(笑)」

<取材・文/橋本岬>

IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです

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