転職の最大の武器「コネ入社」その意外なデメリット
空前の売り手市場と呼ばれた時代は新型コロナウイルスによって突然過ぎ去り、現在は買い手市場にシフトした転職市場。転職活動真っ只中の求職者も多いハズ。
こうしたときに持っておきたいのがコネ。コネ入社というと、ネガティブな印象を持つ人は多いですが、「コネは実力の証明。そして誰でもコネをつくることができる」と語るのは『これだけは知っておきたい「転職」の基本と常識 改訂新版2版』(フォレスト出版)の著者であり、人材育成のプロフェッショナル集団インサイトラーニングの取締役社長の箱田賢亮さん。その真意とコネ入社のメリット・デメリットを聞きました。
人脈をフル活用するコネ入社
いまどき親のコネで就職するなどありえない、という人がいますが、それは大きな間違いです。縁故採用は今でも存在します。
たとえば大企業に新卒ブランドなしで就職しようとします。ところが大企業は中途採用を取るとしても、求人募集を市場に出すことはまずありません。内輪で募集し、転職エージェントによるヘッドハンティングか、それを聞きつけた部長あたりが転職を希望している息子を紹介して決まってしまいます。
転職者にとってコネは最大の武器なのです。それはひとつの例ですが、企業の人事担当者にすれば、履歴書や経歴書からしか情報が得られない人よりも、親族からもたらされる新鮮な情報を持つ人の方が、信頼性の高い判断材料を与えてくれると思うでしょう。
履歴書で良いことばかり並べている人を見ると逆に不安を覚えますが、たとえ能力で劣ると聞いていたとしても、それがわかっている方が情報量が多いだけ安心して選択できます。コネに恵まれるということも、あなたの実力のひとつで、そうした運を味方にしたコネ入社は少しも恥ずかしいことではありません。
横のつながりを築くことがコネ入社
コネ入社というと親の七光りがまず頭に浮かびますが、親族だけがコネというわけではありません。
学校の先輩や取引先、また別の会社に先に転職していった元同僚、上司なども縁故をもっています。友人、知人でもあなたが転職を希望していると知れば、あなたに合いそうな会社を紹介してくれるかもしれません。
どこにどんな縁がつながっているかわかりません。横のつながりを築いておくことは、コネという財産を積み上げることになるのです。
【コネ入社のメリット】
◎ 紹介者のブランドを引き継げる
◎ 内輪の募集に強い
◎ 人事担当者への情報量が豊富
◎ 試験や面接が形式的
◎ 入社後の期待値が高い