“コロナ解雇”の時代に知るべき「転職エージェント」のメリット・デメリット
すご腕エージェントの強引な手法
では、デメリットはなんでしょう。「すご腕エージェントのセールストークに乗せられて、不本意な転職を断れなかった」という例もあります。実績をあげたいエージェントは短期に多数の転職を実現させたいはずですから、ある程度強引な進め方で転職希望者を牽引していきます。気の弱い転職希望者はエージェントの言うままに面接を受け、ミスマッチと思いつつ入社することもあるようです。
転職市場が売り手有利の場合は、転職エージェントもより機能するのですが、市場の価値が下がると買い手有利になり、エージェントのサービスを受けられない人が出てきます。それもデメリットのひとつでしょう。
また、紹介できる案件がそれほど多くないエージェントもいるので注意が必要です。そういう場合あなたのキャリアに合っていない企業やブラックの疑いのある企業なども紹介してきます。エージェントの質を見極めなければならないというのも厄介なことです。
転職エージェントの選び方
メリットとデメリットを知ったうえでやはり転職エージェントを利用したほうがよいと判断したなら、その選び方が問題になります。選ぶといってもアドバイザー個人を指名することは困難ですから、転職エージェントの会社を選択することになります。その会社も100社ではきかないくらい数があるので、選択肢は多く迷うばかりです。
業界によっては専門的な職種での求人がある場合もあるので、そうした業界・職種に特化した転職エージェントを選ぶことも可能です。例えば、外資系に強いエージェント、アパレル業界に強いエージェント、エグゼクティブに強いエージェント、といった具合です。
それ以外は、大手といわれる会社で評判がよくランキング上位のエージェントから選ぶことになります。注意すべき点は、いきなり1社に絞るのではなく、2、3社に登録することです。つけられた担当者と面談し、相性の良い人を選ぶのが賢明です。
エージェントとはいえ、結局は人としての信頼関係が基になりますので、気の合わない人と組むのでは良い結果は期待できません。
<TEXT/インサイトラーニング株式会社代表取締役 箱田賢亮>