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就活への違和感から生まれた「#HairWeGo」パンテーンの広告が心に刺さる訳

ビジネス

型にはまらないと「面接で落とされる」

 個性を大事にする大倉氏が、日本の就職活動における“暗黙のルール”みたいなものが求められていると悟ったのは「型にはまってないがゆえに、面接で落とされる」と感じたからだそうだ。

「もちろん面接に落ちた理由について受けた企業からは教えてもらえませんが、ここで初めて“自分らしさ”を捨てて、周りに合わせるよう黒の短髪にリクルートスーツを着て就職活動するようになった。でも『なにかおかしい』とモヤモヤ感は晴れなかった。これが『#HairWeGo』のブランド広告を考える際の原体験になりました」

 大倉氏は新卒でP&Gへ入社し、3年目にしてシンガポールへ。現在は日本市場におけるヘアケア事業のマーケティング統括責任者を担っている。そんな大倉氏が、日本を外から見たときに改めて「日本の同調圧力や集団主義」が際立って見えるとわかったという。

 どこか息苦しさを感じる日本独自の風潮に、何かブランドとして少しでも応援できないかと感じたそうだ

没個性的な就活に「異を唱える」

ブランド

「1,000人の就職活動の本音」をもとに2018年に展開した広告キャンペーン

「日本の就職活動は、自分らしさが表現しづらく、没個性的な印象を受けます。もっと、ありのままの姿で、自分らしく就職活動できることを社会に訴えたい。そんなメッセージをブランド広告として打ち出したのが『#就活をもっと自由に』という取り組みでした。1,000人の就活生の本音をまとめた広告や動画を公開したところ、非常に多くの反響が寄せられました

 メディアやSNSを通じて「#HairWeGo」のブランド広告は大きな話題を生み、パンテーンの認知度拡大に大きく貢献した。以来、「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」というブランドメッセージを軸に、さまざまなコミュニティに対してブランド広告を展開するようになる。

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