入社2年目で2000万の損失。3億円を手にした女性社長の大失敗
試算ミスで2000万の損失…「飛び降りろ!」
モバゲー事業部では、モバゲー上での企業タイアップやサイト内で表示される広告などを販売する広告営業を任されることに。
「自信のついた私は大手企業相手にも怯(ひる)まず、さらに積極的に営業活動をしていました。クライアントとの飲み会では誰よりも盛り上げていましたね」
そんななか、成井さんは1億円近い大型タイアップを勝ち取る。上司も大喜びだったが……。
「私の提出した想定される効果の試算に大きなミスがあり、結果が大きく乖離していたのです。タイアップ広告により、メルマガの新規登録件数は5000件と試算を出していたのですが、なんと1桁まちがえていて。実際は10分の1という散々な数字。会社に2000万円相当の補填を出させてしまいました。事態を把握した部長から『ヒカリエから飛び降りろ!』と怒鳴られたことは、今でも忘れられません」
救われたのは、怒鳴った上司からの言葉
“大型受注を取ってきた期待の若手”から“新卒入社社員初の減給処分を受けた若手”になってしまった成井さん。どん底の中、支えになったのは「飛び降りろ!」と言った上司の励ましの言葉だった。
「相手企業への謝罪訪問に同行してくれた帰り道、『大きな失敗をしたほうが大きな結果を出せる』と言ってくれました。この失敗で萎縮するのではなく、バネにしてこそ大きな成功につながるんだ、と気づかされました。
それに若手時代は正直、“学生気分”が抜けていなかったのも、この惨事を招いた一因だったと思います。自分に能力があると思い込み、目の前の仕事よりノリと勢いを優先していた。この失敗以降は自分の持ち味ではあるコミュニケーション力や行動力は維持しつつ、上司に確認をとってから行動するなど責任感を持つようになりました」