今さら聞けないLCCの常識。時期によっては大手より割高にも
安価な交通手段として一定の支持を集めているLCC。
日本では国内線で2012年から参入。当初はサービスが悪い、遅れるといった評判が多くありましたが、最近は多少改善されたという噂も耳にします。さて、そもそもLCCって何かご存知でしょうか?
安い飛行機のこと? 普通の飛行機との違いがわらない、安くて心配……。今回は、パスポートのスタンプは約40ページ分埋まっている休日トラベラーの私が、そんなLCCについて国内線のメリット・デメリットをご紹介します。
LCCはそもそも何の略? なんで安いの?
LCCとは「Low cost carrier(格安航空会社)」の略です。航空会社に対する“種類”の呼び方なのですね。定義としては、運航にかかる費用やサービスを抑えて、従来より安価で航空券を提供する航空会社のことです。
それに対して、ANAやJALといった既存の航空会社はレガシーキャリア、またはフルサービスキャリア(FSC)と呼ばれています。LCCとレガシーキャリアで大きく異なる点は、航空券に基本的に含まれるサービスの有無です。
レガシーキャリアが販売する航空券は、座席指定や受託手荷物など全てのサービスが含まれており、航空券代以上のお金がかかることはありません。
一方、LCCの航空券には、これらのサービスが含まれておらず、必要に応じて追加し料金を支払います。例えば6000円の航空券に、座席指定をプラスするとプラス500円、荷物を預けるとプラス1500円といった具合に、料金を加算することでサービスを追加するわけです。
追加料金と言われるとサービスが悪いと思われがちですが、自分が必要なサービスの料金だけ支払うLCCの仕組みは合理的です。
座席の狭さはプラス何円で解消できる?
LCCの座席は狭いと言われますが、横幅はレガシーキャリアと変わりません。前後幅が多少狭いものの、これもプラス1000円程度で足元の広い座席を指定できます。
また機内での無料サービスはレガシーキャリアでもドリンクのみですので、LCCとの差はほとんどありません。エアアジアジャパンを除き、飲食物の持ち込みは認められています(アルコールをNGとする航空会社もあり)。
当たり前ですが、LCCを利用する一番の理由は安いからではないでしょうか。ですが、特に安いと感じられるのは、出発まで1か月を切った航空券を予約するときです。例えばレガシーキャリアのJALとANAでは、出発27日前から航空券の値段が跳ね上がります。
一方、LCCは何日前までにという制約がないため、空席が多ければ前日でも格安で予約できます。空席が少ない便でも、レガシーキャリアより高くなるケースはほとんどありません。
ただし、1か月以上先の航空券はレガシーキャリアも安価なものを販売しているため、両者の値段があまり変わらないことも。
また、ゴールデンウィークやお盆などの繁忙期では、レガシーキャリアより高い値段が設定されることもあります。常にLCCが安いわけではありませんので、しっかり価格を確認しましょう。