バターサンドが大ヒット。急成長のお菓子ベンチャーに聞く「勝因と失敗」
「1Brand=1Product」のこだわり
BAKEには創業時から大切にする考え方に「1Brand=1Product」というものがある。ブランドと向き合い、お菓子を常に進化させるマインドは、BAKEの各ブランドの根底にあるのだろう。
「1つのブランドが1つの商品しか出さないことって、お菓子業界ではリスクが高すぎてやらないんですね。例えば、ケーキ屋さんは色々な商品のラインアップを用意して、お客様の好みによって選べるようにしています。一方で、BAKEの各ブランドは基本的に1つのみ。
新たにブランドをつくるときは『8割主義』といって、8割のお客様が美味しいと思い、8割の方が知っていて、好きな菓子のカテゴリーの中で挑戦するというこだわりを持っています。そのカテゴリーで勝つことを念頭に置き、ブランドごとに市場でのポジショニングを定めているんです」
お菓子のつくり方や見せ方、伝え方。この全てにこだわり、ブランドを洗練されることで唯一無二のお菓子ができると同時に、オペレーションコストや商品のロス削減につながり、利益率も高まる。これが、BAKEのビジネスモデルの強みだ。
ファッションブランドのような個性を
柿﨑氏は「ブランドは、見た目や味などが変わらなければそこで止まってしまう」とし、デザインにこだわった商品開発の必要性をこう語る。
「時代の変化は目まぐるしいので、一度立ち止まると、あっという間に古いものになってしまうでしょう。同じブランドでも写真の撮り方やキャッチコピー、商品の伝え方など、デザインや訴求方法を変えることで全然違ったものになる。『お菓子を、進化させる。』というミッションのもと、常に追求し続ける姿勢を持ちながら、商品開発を行っています」
ブランドひとつひとつにストーリー性を持たせ、世界観を表現するBAKEのお菓子ブランドは、さながらファッションブランドのようだ。
「ファッションのブランドも、クリエティブディレクターによってデザインの方向性が変わります。BAKEの各ブランドも、兼任しているものもありますが、基本的にはブランドごとにアートディレクターがいる。つまり、アートディレクターの『個性』によってブランドが変わるわけです。会社としても個性を尊重し、裁量は任されているので、ブランドの本質や魅力が伝わるにはどうしたらいいか常に考えています」