なぜ東大生に「ガリ勉タイプ」が少ないのか。大切なのは“技術の取得”
会社、学校、家庭などさまざまなシーンにおいて常に考えながら行動しています。特にこれからのビジネスシーンでは、考える力を正しく身につける必要があります。
企画した本の累計は1000万部を突破し、6月には初となる著書『パン屋ではおにぎりを売れ』(かんき出版)を上梓した、株式会社アスコム取締役編集局長で、編集者の柿内尚文さん。
長年の編集経験で得たヒット作をつくるノウハウをまとめた同著から、誰もが一生役立つ「考える技術」を身につける方法に関して記した章を一部転載します(以下同著より)。
「考える」には邪魔ものがたくさんいる
考えることは大切だとわかっていても、考えることは面倒ですよね。頑張って考えようと思っても、「考える」ではなく「考えてるつもり」になっていることもよくあります。
テーマのまわりをぐるぐるとループしているだけで、まったく解決に向かわない。そんな経験、ないでしょうか? そう。「考える」ことには、邪魔をする因子がたくさん存在しているのです。
「集中力がなかなか続かない。すぐ違うことを考えてしまう」
「どうやっていいか、考える方法がわからない」
「周囲に忖度してしまい思考停止状態」
「情報不足でどこから考えていいかわからない」
「過去の経験を過信して、それが通用しなくなっていることに気づいていない」
「そういうものだと決めつけていて、考えないですませようとする。ついつい、思い込みで決めてしまう」
「考える技術」には毎日の積み重ね
ざっと、こんなところが阻害因子になっています。「考える」ことは面倒だし疲れます。もともと、人間はできるだけ考えないで生きられるように脳ができているからです。
「思う」は自然に起こるのに、「考える」は意識的にやらないとなかなかできない。意識的にやろうと思っても、邪魔するものがたくさんある。でもご安心を。阻害因子は、「考える技術」を身につけることで大幅に解決できるはずです。
大切なのは、毎日の積み重ねです。ほんの小さなことでも、1週間、1か月、1年と積み重ねていくことで確実に変化していきます。気がつけば、考える技術が身につき、行動が変わり、脳も変化します。
そうなるとおもしろいもので、その影響力は周囲にも広がっていき、他人の考え方や行動をも変えていくのです。よく、「人を変えたければ、まずは自分が変われ」といいますが、それはつまりこういう構造なんだと思います。