村上虹郎「日本で芸術は圧倒的に弱者」コロナ禍で抱いた危機感
日本では芸術が“圧倒的弱者”なんだ
――日本の芸術に対する扱いをどう感じていますか?
村上:たとえば、ドイツが芸術に対して国としてどのような支援をしているかが取り上げられていましたが、それは国のトップの方々が「芸術がないと生きていけない」と感じているからお金を払うわけですよね。
それに比べると、日本では芸術が“圧倒的弱者”なんだなと感じました。頼んでもダメなら、「絶対におもしろいものを作りますよ」と言うしかないんですけど、だからと言っていますぐにできる話でもないですからね。
――当然のことながら、それを実現するには時間もお金もかかりますからね。
村上:でも、これはいまに始まったことではなくて、結構前から日本では映画という産業が全体的に弱まっている部分があるので、どうにかしたいという気持ちは強くなりました。
「好きなことはあったほうがいい」
――難しいところですね。村上さんは10代でデビューされており、すでにキャリアも長いので、仕事で悩んでいるときに実践していることがあれば、教えてください。
村上:まずひとつ言えるのは「好きなことはあったほうがいいよ」ということですね。そこで一回死ぬ気でがんばれば、あとが楽になるんじゃないかな。それから僕は本当につらいとき、「この世は地獄だ」と思うようにしています。この世こそが、一番ひどい世界なんだと。そうやって考えると、結構生きられますから。