コロナ下でも攻める「アパホテル」、社員の年収は高いのか?
アパホテル社長の存在は欠かせない
そして、アパグループといえば、代表の元谷外志雄氏の妻であり、アパホテル社長・元谷芙美子氏の存在は外せません。
赤坂にある東京本社ビルでは、笑顔の芙美子氏が大写しになっている看板が飾られています。アパホテルやアパグループについて何も知らなくても、つい視線を向けてしまうインパクトです。
看板に限らず、芙美子氏はメディアに登場する際は常に大きな帽子をかぶっており、自ら広告塔役を買って出ています。その「広告」施策のひとつとして知られているのが、アパホテルなどで販売されている「アパ社長カレー」です。アパ社長カレーはその名の通り、パッケージに芙美子氏の顔写真が大写しになっているレトルトカレーで、ぐでたまなど、各種キャラクターともコラボレーションしています。しかも、見た目のインパクトの強さにとどまらず、2018年時点で300万食を売り上げています。
また、「アパ社長カレー」は2011年の東日本大震災の発生直後に、最初に作った約3000食を宮城県へ支援物資として送ったという実績もあります。賞味期限も2年間と長く、宿泊客向けの緊急時の備蓄食料という側面も備えています。アパホテル自身はその味に絶大な自信を持っているらしく、アパホテル〈飯田橋駅南〉に併設された店舗「アパ社長カレー 飯田橋駅南店」で直接味わうこともできます。
アパホテルの「ホワイト/ブラック度」判定
アパホテル:★★★★☆
ホテル業界全体が厳しい状況下にある中、積極的な姿勢を保ち続けている企業です。積極的なホテル建設や、各種キャンペーンを地道に積み上げることで中期経営計画の数値目標も前倒しで達成するなど、その経営手腕は目を見張るものがあります。
社長のビジュアル面のインパクトなど、話題に事欠かない企業ですが、その話題を精査してみると、アパグループにプラスになる話題が多く、(ビジネス面では)目立った不祥事も特にありません。不祥事があっても迅速に事態の収束を計っている様子でした。したがって、攻めだけではなく、守りも的確だと言えるでしょう。
ただ、現場の従業員の給与水準が「非常に高い」とは言えない点が気になりました。同程度の給与水準の企業と比べると、経営やマネジメントの面で得るものは多いと思いますが、元谷外志雄代表の思想的なバックグラウンドを踏まえると、相当に人を選ぶ企業であるように思います。
そのため、最終的な評価は★4としました。
<TEXT/アラートさん(@blackc_alert)>