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伊藤忠、三菱商事…待遇への満足度は?総合商社8社ランキング

ビジネス

兼松、丸紅、豊田通商の結果は…

【兼松の強みと弱み】(素材、在籍3~5年)
強み:食品。投資のほとんどが食品関係に向けられている
弱み:(記載なし)
事業展望:食品部隊以外の事業展望が見られない

【丸紅の強みと弱み】(部門経理、在籍3~5年)
強み:電力、自動車部門
弱み:財務状況
事業展望:財務状況を他社並みによくできて、ポートフォリオをしっかり組めれば今後も成長できると思う

【豊田通商の強みと弱み】(営業、在籍3~5年)
強み:自動車関連ビジネス。アフリカ関係
弱み:自動車以外のビジネスの比率がまだ低い
事業展望:今後は自動車以外のビジネスを伸ばしていく計画

 このように整理すると、財閥系商社(特に三菱商事・三井物産)が花形の資源・エネルギー系をおさえている状況が見えてきます。他の非資源分野(繊維・食品など)でどうポジショニングをとるかによって、各社の経営状況が変わっているように見受けられます。その観点で見ると、非資源分野主体であるにもかかわらず、売上額首位となった伊藤忠商事の追い上げ力には目を見張るものがあります。

総合商社の特徴について

三菱商事

三菱商事ビルディング(三菱商事本社) CC BY 4.0

 どの上位企業もおおむね業績は良好で平均年収が高く、総合商社が就活で人気の業界であるのも当然だと思いました。ただし、人気があるゆえに入社難易度も高く、各社の特徴の分析を行わないまま、入社試験を突破するのは難しいでしょう。

 また、今回紹介したクチコミを見ている限りでも「同業他社の『社格』」を気にしている内容のクチコミが見られるのがほかの業界(飲食・小売・ITなど)にはあまり見られない傾向です。評価ランキングおよび、直近の当期利益額がトップの伊藤忠商事のクチコミであっても「業界内での序列(三菱商事・三井物産・住友商事といった旧財閥系の企業との差)」を気にしている傾向があるのが特徴的でした。

 就活時の企業選び・クチコミ分析においては、「新卒・若手にとっての評価制度の納得感」「現場の意見が通りやすいか」について注目してみていくと、納得できる企業選びができるように思います。新卒入社の場合は「若手」の「現場メンバー」として評価され、待遇が決まるようになっているので、「自分自身が入社したらどのようになるのか」を想像する手がかりになるでしょう。

<TEXT/アラートさん(@blackc_alert) 協力/OpenWork[オープンワーク]>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
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