アイス「ホームランバー」が60周年。長寿の秘密、当たりの確率を聞いてみた
世相を反映して「当たり」のテーマを決める
「ホームランバーの当たりは、時代ごとにテーマを決めて景品を選んでいます。1970〜1980年代はテレビの影響が強く、人気アニメ『マッハGO GO GO』や『スピードガン』など、当たったら嬉しいものを用意すれば、景品として十分魅力的でした。
ただ、時代が進むについて消費者のライフスタイルや価値観が多様化し、欲しいものが千差万別になってきた。中途半端な景品だと、用意しても使ってもらえなかったり、喜んでもらえなかったりする。最近ではQUOカードや親子、兄弟、カップルで着られるペアTシャツなど実用的なものを意識しています」
ホームランバーの楽しみは、アイスの味もさることながら食べたらわかる当たりつきの“ドキドキ感”にあるが、なかにはあまり好評を得られなかった企画も……。
「高級スイーツの流行に合わせ、プレミアムホームランバーを発売した時期がありました。発売50周年という節目だったのですが、これがあまりヒットせず(笑)。ホームランバーは高級路線ではなく、子供のお小遣いで買えるような手軽さを打ち出すほうが、消費者に支持されやすいなと改めて気づかされました」
協同乳業はホームランバーのほか、テトラ牛乳や本格的なカスタードプリンの工業化など日本初のヒット商品を生み出してきた。失敗を糧に改良を重ね、商品として育て上げ、社会に寄与していく。このような商品開発が、多くのブランドを創り上げたのかもしれない。
どのくらい当たりが出るのか…?
ホームランバーといえば当たりだが、確率的にどのくらい出るのか。成毛氏に率直に聞いたところ「もちろん一定量、社内規定に合わせて当たりは入れている」としたうえでこう答えた。
「定番の銀紙包装のホームランバーは『当たりがでたらもう1本』と言うようにホームランバーと交換できますが、目安として1か月毎日1本食べ続ければ、当たりが出る感覚だと思います」
では、箱入りのマルチパックタイプの景品が当たるホームランバーの「ホームラン賞」はどのくらい割合なのだろうか。当たる確率を上げる方法はあるのだろうか?
「ホームラン賞の当たり棒は数量限定でランダムに入れているので、正直、社員でもどの箱に入っているのか全く見当つかないんです(笑)。ただ、1箱タイプを1個買えば、一塁打(1ポイント)、二塁打(2ポイント)、三塁打(3ポイント)のうち、どれかは出ると思いますが、こればかりは運次第なので、当たりが出ない箱もあるんですよね…」
当たり棒は金券と同じ扱いで厳重に管理
ちなみに、ホームラン(大当たり)の当たり棒は管理も徹底しているという。
「ごくごく限られた人のみが当たり棒を保管しています。どこかに持ち出されたり、不正があったりしたら困りますし、当たり棒はある種、金券と同じ扱いですので、厳重な管理のもとで生産していますね」
また、60周年の感謝を込めて、当たりが出る喜びを体感していただきたく、ヒット以上が必ず出る「ホームランバー®全ヒットラッキーパック」を数量限定発売した(※現在出荷は終了)。
「アイスは不動の人気商品で、老若男女問わず親しまれています。ホームランバーは駄菓子屋で売られているような昔ながらのパッケージやデザインを残しつつ、当たることの楽しさ、ドキドキ・ワクワク感を提案したい。こういった想いから、全ヒットラッキーパックが生まれました。今後は、ホームランバーのSNSで消費者からいただいた感想や要望を、商品企画に活かしていけるサイクルを作りたいです」