面倒くさい上司から「ちゃぶ台返し」されない、魔法の一言
ここで心配になるのが、確認回数を増やすことで「この前言っただろう。何回言えばわかるんだ!」というように“仕事のできないヤツ”とマイナスの評価にならないかです。
優秀な上司でも心はいつも不安
ご安心ください。どんな上司や取引先も「私のことを大切な存在と認めてくれているか」と、常に不安に思っています。なので、逆に確認されると嬉しいのです。
・進捗状況を知らせ、安心させてほしい
・私を尊敬し、言うことを逆らわずに聞いてほしい
リストラされるビジネスパーソンだけでなく、優秀な将来の幹部候補でも、部下や取引先に対してこの2つの思いを持っていました。
苦手意識の有無に関わらず、距離をとったり、報告を怠ったりすると、「自分のことを大事な存在と思っていないのでは?」と疑いの芽が出てきます。その芽は徐々に、あなたが「ダメなヤツ」という認識にすり替わっていくので危険です。
逆に、どんな小さなことでも報告する。確認を怠らない。そうすると「私を大事な存在と認めてくれている」と、信頼感が高まるのでやったもの勝ちなのです。
短い打ち合わせとはいえ数回で終わるでしょう。トータルのミーティング時間も減ります。さらに相手からは「すぐ確認してくれるので、信頼できる。かわいいヤツだ」と評価も上がります。
打ち合わせの切り出し方にもコツがあります。「指示通りにしましたが、これでいいでしょうか?」と、ミスがあれば相手が悪いという印象を与えては逆効果です。
言った言わないの口論を防ぐ「魔法の言葉」
「1つ確認ですが」という言葉で切り出しましょう。
これなら、仮に上司とあなたの間で理解の行き違いがあっても、どちらかの責任になることはありません。あくまでも「確認」なので、違っていれば修正するだけでいいのです。
どちらかの責任となると、言った言わないで口論になります。不毛な時間がとられます。モチベーションも落ちます。どんなにあなたが正しくても組織で立場が弱いほうが負けます。あなたの評判がかえって落ちてしまうの大損です。
「確認」なら大丈夫です。誰かの責任ではなく作業内容の話にしかなりません。作業の内容の確認の話に集中できるので打ち合わせも効率的です。
確認は、重要なところが1つでも出たらすぐやりましょう。
複数の確認点が出てからだと、それまでの作業がムダになる可能性がでます。少しでも作業のムダが出ると相手はあなたがミスしたと考えます。「間違ってムダに作業した使えないヤツ」と評価されたらマイナスです。
相談を受ける相手にしても、たくさん確認事項があると、対応が億劫になります。対応する時間もかかるので後回しにされてしまうと1回の長いミーティングと同じになってしまいます。
確認点は多くとも3つ以内にとどめましょう。3つまでなら、その場ですぐ確認してくれるし、短時間で終わるので効率的です。急がば回れ。「一つ確認ですが」を口癖に動きましょう
<TEXT/松本利明>