Airbnbから消えた物件「民泊新法よりもキツかった運用実態」ホストが語る
――民泊の立ち上げで苦労した点はありましたか。
あくの:ニトリやIKEAで買ったクソ重い家具を、今思い出しても腹が立つくらいしこたま物件まで運ばされたことです。
一時期、ツイッターで「アラフィフなのに、モデルルームの準備のため、プリウスにパンパンに詰め込んだ家具を深夜にマンションに運びこんでいます」「ニトリ南砂店に朝イチで商品を受け取る下っ端仕事に従事してます」といった呪詛のツイートをしていましたが、これは民泊のセッティングのことでした。
お隣さんが常時監視……やっかいな民泊クレーム対応
――民泊のオペレーションはどのようにされてましたか。トラブルなどはあったのでしょうか。
あくの:友人に誘われての参入だったので数名のチーム体制で、現場オペレーションと対貸主等の物件オペレーションで分業してました。幸い私は物件側だったので、煩雑なトラブルは少ないのですが、それでも以下のようなことがありましたね。
■騒音クレーム対応で石膏ボードを搬入
「遮音状態が悪いせいか宿泊者から、「耳元で階段を歩く音がする。なんとかして欲しい」とクレームが入り、ギックリ腰の日に部下と一緒に4階まで石膏ボード20枚を運び、シコシコ成形して壁に貼り付けてました。ツラい」
■自分の滞納を棚に上げてクレームいれるハゲテナント
「民泊部屋の階下で深夜までカラオケを炸裂させてる滞納ハゲスナックから『あくのさん、昨日サンダル・バスローブ姿の白人が夜中お店に来て、歌がうるさくて眠れないと言われたのだけど、あれ誰かしら。なんで白人がいるの?』と言われ、『いま4階を民泊で貸してまして……』と丁寧に説明しました。
ハゲ滞納の気持ちもわかるけど、滞納してる家賃払ってからクレームいれてほしい。家賃払わないなら今夜から営業止めてほしい。ツラい」
■宿泊料金を全額返金して平謝り
「あくる日、2つ階下のスナックで明け方4時まで『ルパン三世』を熱唱する元気なおじさんたちが集合。一晩中、似てない不二子ちゃんのモノマネが反復横跳びされた結果、翌日、『眠れなかった』とお客さんからクレームがありました。
『全額返金しますので、レビューだけは落とさないで……』と懇願してその場を納めました。Airbnbからスーパーホストに認定されていたので、低評価が入ると死活問題なのです」
■隣室クレームBBAが常時監視
「共用の通路に数分だけ荷物を置いたり、掃除で出たゴミを仮置きした瞬間に、物件オーナーに鬼電する隣室の発狂BBAがいました。中世欧州で流行った疫病に感染してほしい。発狂してるし、時間あるしで、彼女が住んでいるゴミ屋敷の中から一日中、外を監視してました。
うちの清掃スタッフも『あくのさん、あいつ超ヤバイすわ~。玄関のキーボックス操作した瞬間に、杖ついてダッシュで飛び出して、あなたたち、民泊の人なの!? って詰めよってくるんスよ。いえ、掃除で来ましたって言ったら家に戻りましたけど……。家に戻ったら自分の飼い犬にめっちゃ吠えられてました』」