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ケイト・スペードだけじゃない。創業者が非業の死を遂げた「海外有名ブランド」

ビジネス

ヴェルサーチ 連続殺人事件に巻き込まれる

ヴェルサーチ

ウェンズレー・クラークソン『ベルサーチを殺った男―愛憎が生んだ処刑逃避行』(ベストセラーズ刊)

 高級ブランドとして知られる「ヴェルサーチ」。創業者のジャンニ・ヴェルサーチはジョルジオ・アルマーニ、ジャンフランコ・フェッレと並び称され、それぞれの頭文字を取って“ミラノの3G”と呼ばれています。

 1946年、ヴェルサーチ氏は南イタリアのレッジョ・カラブリアに生まれました。ドレスメーカーの母から仕立てを学び、9歳にして自作のドレスをデザインしていたそうです。25歳でミラノに移り、数々のブランドを渡ったのち、自身のブランド「ヴェルサーチ」を立ち上げます。

 また、衣装デザイナーとしても活躍しており、舞台やバレエの衣装を手がけたほか、エリック・クラプトンやナオミ・キャンベル、デュラン・デュラン、マドンナ、プリンスといった著名人との華やかな交流が知られています。

 そんなヴェルサーチ氏が突然の悲劇に見舞われたのは1997年のこと。アメリカのフロリダ州にある別荘に滞在中、銃撃に遭い亡くなります。享年50。犯人のアンドルー・クナーナンは連続殺人犯で、同氏含む5人を殺害。ヴェルサーチ氏はその最後の犠牲者でした。

ディオール 諸説あるが心臓発作

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2005年のルーマニアの切手に印刷されたクリスチャン・ディオール
photo by Post of Romania

 フランス人デザイナーのクリスチャン・ディオールの名を冠した「ディオール」は、衣服やバッグだけでなく、ジュエリー、コスメティックスなど多方面で知られています。

 1905年フランス北西部ノルマンディー地方のグランヴィルで生を受けたディオール氏は、裕福な家庭環境で育ちました。第二次世界大戦を経て、1946年にオートクチュール(高級注文服)のコレクションでデビューしますが、そのとき既に40歳を過ぎていました。

 ディオール氏が発明したニュールックというスタイルは、女性らしさの解放が求められていた当時の世相に応えるものとして、彼の代表的な功績として語られています。

 1957年、ディオール氏は心臓発作を起こして52歳でこの世を去ります。発作の原因には諸説あり、魚の骨をのどに詰まらせての心臓発作、不摂生による肥満が引き金、なかには活発だった性生活が原因とする説もあります。

 ディオール氏はデザイナーとして遅咲きだったこともあり、精力的に活動していたのはわずか10年ほどと短期間でした。

 同氏の死後、ブランド「ディオール」の歴代デザイナーには弟子で後継者であるイブ・サンローランをはじめ、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェッレといったそうそうたる名が連なり、今日までその地位を確固たるものにしています。

<TEXT/石井通之>

元エロ本編集者。高校卒業後、クリエイティブな分野に憧れて美術大学を目指すも、センスと根気のなさゆえに挫折。大学卒業後、就職した風俗雑誌の編集部でキャリアをスタートさせる。イベントレポートとインタビューが得意(似顔絵イラスト/koya)

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