ロイホ、ジョイフル…コロナで大量閉店。生き残った飲食チェーンと何が違う?
コロナ以前から始まっていた飲食産業の変化
稲田さんによると、コロナ以前から業界内に変化の兆しがあったといいます。
「コロナ以前から飲食業界では個人客に重きを置いた“個の時代への転換”が言われていました。コロナ禍はこの流れを一気に、しかも極端な形で推し進めたと言えるでしょう。大型宴会に収益のかなりの部分を頼っていたチェーン居酒屋業界ではコロナの影響は特に甚大だったはずです。
ファミレスやファストフードは“個の時代への転換”がむしろ追い風になっていた部分もあるので、実は全体の中ではまだ多少有利な立場だったはずです。にもかかわらずのこの厳しい状況というのは、コロナが与えた飲食業界全体への影響の凄まじさを物語っていると思います」
今後飲食店が生き残るには?
相次ぐ飲食店の閉店。これ以上寂しいニュースは聞きたくないところですが……。
「ウィズコロナの時代において、ほとんどの店は、これまでと同じやり方を続けるだけでは結局、潰れるまでの時間が長いか短いかだけでしかありません」
この時代で生き残るために重要なのは、今後「社会の変化にいかに迅速かつ的確に対応できるか」が鍵となるそう。
「そういう意味では、既存店舗を躍起になって残すことよりも、不採算店舗や今後の発展性の薄い店舗を閉めてでも、新たなビジネスモデル構築のために経営資源を集中させることのほうが重要です」