ロイホ、ジョイフル…コロナで大量閉店。生き残った飲食チェーンと何が違う?
新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が閉店を余儀なくされています。この数か月の間に、お気に入りのお店が街から姿を消してしまったという経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
大量閉店に踏み切った飲食チェーン
大量閉店する外食チェーンもあり、ファミリーレストラン「ジョイフル」では200店舗の閉店が発表されました。店舗数ではジョイフルほどではないものの、南欧料理レストランチェーン「タパス&タパス」では全店舗の約半数にあたる9店舗の閉店を決定。
この他にも、「てんや」や「ロイヤルホスト」を経営するロイヤルホールディングスで系列70店舗、「和民」や「ミライザカ」のワタミグループも65店舗を閉店。バイキングでおなじみの「すたみな太郎」も17店舗を閉店しました。
多くの業界でコロナによる影響が出ていますが、そのなかでも外食産業は影響が大きい分野のひとつでしょう。ウィズコロナ、アフターコロナの時代の外食はどのように変化するのか。 『人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本』を出版、円相フードサービス専務取締役として自身も飲食チェーンの経営に携わっている稲田俊輔さんに話を聞きました。
閉店には2つの側面がある
稲田さんによると、飲食店の閉店は、
① 損失を最小限にすることで倒産の危機を回避するための閉店
② アフターコロナ下での収益構造の変化に対応するための閉店
という2つの側面があるそうです。
閉店は複合的な判断であり、①と②を純粋に分けることはできないと前置きした上で、稲田さんは①の閉店についてこのように分析します。
「①に関しては、全社的な内部留保や資金調達力などの財務的な要素が強く、その差が閉店店舗数の多寡にダイレクトに影響しているのは間違いないところ。経営分析的な数字の話になります」
収益をあげられない店舗の経営をそのまま続けてしまったら、人件費やテナント料などの赤字がどんどん累積されてしまいます。ダメージを最小限に抑えるための閉店は、企業の継続のために避けられないものなのでしょう。
一方で、②の理由で閉店をおこなったケースに注目すると、今後の外食産業がどのように変化していくのかを予測することができそうです。