全英が熱狂!? 非FIFA加盟国による“もう1つのW杯”を現地ルポ:観戦2日目
2試合目:水没が進む、ツバルVSンデベレ人・マタベレランド
2試合目はツバルとマタベレランドのゲームでした。ツバルは独立国ですが、FIFAではなくCONIFAに加盟しています。太平洋上の島国で人口は9000人強、日本が承認している国家の中では3番目に人口の少ない国です。海抜が低いため、国の水没が進行しているというニュースがたびたび取り上げられていますね。
本来はオセアニア代表としてバヌアツが出場予定でしたが、経済的な問題で出場を断念したため、代わりにツバルが出場しています。
マタベレランドはジンバブエ南部から西部にかけて住むンデベレ人の代表チームです。ジンバブエでは多数派のショナ人が全人口の7割強を占めており、ンデベレ人は少数派です。
どちらも0勝2敗で予選リーグ敗退は決定していますが、マタベレランドは初勝利、ツバルは初得点と初勝利をかけての対戦。マタベレランドは細かいパスを繋いでツバルゴールへ迫り、ツバルは前線へのロングボールを中心とした攻撃でした。
前半は点の取り合いになり、マタベレランドが2-1とリード。ツバルは大会初ゴールを達成しました。さらにマタベレランドがPKを獲得するも、ツバルゴールキーパーの好セーブに遭い2-1のまま前半が終了。
後半はツバルが押されながらも耐えていましたが、終了間際に2度目のPKを許し失点、3-1でマタベレランドが初勝利を挙げました。
この試合で注目を集めたのはマタベレランドのサポーターでした。
50人を超えるサポーターが駆けつけ、試合中は歌を歌い続けて応援し、周囲の観客に手拍子を煽ってスタジアム全体に応援の輪を広げました。更に対戦相手のツバルサポーターにも手拍子を要求し、ツバルサポーターも苦笑いしつつ、手拍子を返していました。
寄付するとジンバブエドルがもらえちゃう
またマタベレランドサポーターが場内で募金を集めていましたが、募金のお礼として現在使用されていない5000万ジンバブエドル紙幣を渡していました。
ジンバブエドルは2000年代にハイパーインフレーションを経験し、最高で100兆ジンバブエドル紙幣が発行されたことは当時日本でも話題になりました。現在ジンバブエドルは廃止され、国内では主に米ドルと南アフリカの通貨であるランドが流通しています。