全英が熱狂!? 非FIFA加盟国による“もう1つのW杯”を現地ルポ:観戦2日目
1試合目:開催国のブラバVS.「マン島」エランバニン
1試合目は開催国のブラバ(Barawa)とエランバニン(Ellan Vannin)のゲームでした。ブラバはイギリスに住むソマリ人の代表チーム。チーム名の「Barawa」はソマリア南部にある港町の名前です。
エランヴァニンはグレートブリテン島(イギリス本島)とアイルランド島に挟まれた小さな島、マン島の代表チームで、チーム名の「エランバニン(Ellan Vannin)」はマン島語で「マン島」を意味します。
イギリスと密接な関係にありますがイギリス領土ではなく、イギリス王室が持っている領地という扱いです。マン島では100年以上の歴史を持つ公道を使ったバイクレースを開催しており、最近では租税回避地(タックスヘイブン)のひとつとして話題になりました。
両チームともサポーターは十数名で、ブラバのサポーターは女性が中心でした。常時、声を出しての応援はありませんでしたが、要所でコールを入れて試合を盛り上げました。
強豪国が敗れる、まさかの展開に……
試合はお互い決定機を作らせず拮抗した展開となりましたが、少ないチャンスを生かしたブラバが前半と後半に1点ずつ取り、2-0でブラバが勝利しました。
これにより予選Aリーグはこの2チームと他会場で勝利したカスカディアが2勝1敗で並びましたが、得失点差でブラバとカスカディアが決勝トーナメントへ進出。エランバニンは9~16位決定戦に回りました。
ちなみにカスカディアは北アメリカ大陸西海岸、アメリカカナダ国境周辺に広がる地域の代表チームです。CONIFA世界ランキング4位のエランバニンは予選リーグ突破が有力視されていただけに、他会場の結果を確認して得失点差での敗退を知ったエランバニンの選手のうなだれる様子が印象的でした。