自転車保険への加入義務化が全国で進む。入らなかったら罰則はあるの?
2020年4月から、東京都で自転車保険への加入が義務付けられたことをご存じですか? 自転車で事故を起こした際の損害賠償金の補償、治療費の負担、示談の代行を依頼できるなど、自動車保険に近い補償を受けられる賠償責任保険です。
国土交通省の調査では、自動車による「全交通事故件数」は約3割減少している一方「自転車対歩行者事故件数」は約3割増加(2002~2012年)。昨今では、自転車保険への加入を「義務」または「努力義務」とするづける自治体が全国に広がっています。
今回は「自転車保険への加入」について弁護士で公認会計士の資格を持つ後藤亜由夢さんに話を聞きました。
罰則はないが、加入したほうがいい
いまいち世間に浸透してないように思える「自転車保険の加入義務化」ですが、もしも加入しなかったら処罰されるのでしょうか?
「東京都の場合、都の条例に罰則は規定されていないので、罰を受けることはありません。東京都によれば、罰則を設けるためには、自転車損害賠償保険等への加入状況を確認する仕組みが必要ですが、現在そのような仕組みが整っていないために、罰則を規定しなかったとのことです」
では、自転車を所有していない人がシェアサイクルを利用する場合、個人の所有でなくても自転車保険に加入したほうがいいのでしょうか?
「条例では『自転車利用者』に保険加入義務を付しています。自転車が自分の所有であるか否かについては規定がないため、シェアサイクルでも自転車を運転するのであれば保険の加入は必要です」
ただし、シェアサイクル、レンタサイクルの事業者自体が保険に加入している場合も増えています。利用したいい事業者の、加入の有無を調べておきましょう。