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都市のロックダウンで何が起きる?昨年には「SNS遮断」も

ビジネス

 新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るっている。特に米国やイタリア、スペインでは深刻な状況になっており、ニューヨークやパリなど各地で外出禁止令が出され、市民は行動の制限を余儀なくされている。

海外の警官

※画像はイメージです(以下同じ)

 また、それによって、治安当局と市民との間で衝突や暴力沙汰が次々に各国で発生しているのだ。例えば、3月27日に外出禁止令が発出されたケニアでは、外出禁止令を守らなかったバイクタクシーの運転手が警察官に殴られて死亡する事件があった。

家庭内暴力や離婚が世界的に増加

 ジンバブエや南アフリカなどでも、治安当局が外に出ている市民に対して催涙ガスなどを用いて強制排除に出るなどしている。インドにいたっては、食糧品を買うため外出していた市民が警察官に見つかって棒で容赦なく叩かれ、腹筋や腕立て伏せなどを強要されている。

 また、全く外に出られないというストレスから、家庭内暴力や離婚が世界的に増加しているという。ロックダウンは感染拡大を防止するためには有効だが、その副作用も表面化しているのだ。
 
 では、諸外国のように、東京や日本ではロックダウンは強制できるのか。違反した場合の罰金などはあるのか。3月14日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法をみてみたい。

警察官が都民を棒で叩くのか

 まず、同法にはロックダウンについては明記されていない。そして、欧米で強制されているような外出禁止は日本では強制できず、罰金も科されない。政府にできることはあくまでも外出自粛要請であり、強制的措置ではないのだ。要は、いかに国民が協力できるかがカギとなる。

 政府としても、非常事態宣言を出し、国民に最大限の警告をすることで外出禁止を促進するという形しか取れないのだ。仮に、日本でロックダウンが可能であるならば、バスや電車、地下鉄の運行中止や制限が生じ、移動や必需品の購入など市民生活にも大きな影響が出てくることは、欧米の現状を見れば分かる。

 だが、これは国民性もあるのかも知れないが、インドなどで起こっているように、警視庁の警察官が違反だとして都民を棒で叩いたり、両者の間で衝突が起こることは想像し難い。

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