新型肺炎で高まる経済リスク。中国企業「ドミノ倒産」も…
具体例3:イベントの中止から生じるドミノ倒産
アパレルブランドなどの大規模展示会や、イベント、◯◯フェスといった大規模集会の長期間に及ぶ中止が発表されています。3月末までに予定されている多くのビジネス展示会などのイベントは中止の方向で検討が進んでいます。4月に実施予定だった「F1中国GP」への影響も報道されています。
このように長期間にわたり展示会活動が中止される場合、企業や金融機関への影響は甚大です。なぜなら、通常企業が用意している事業継続に必要な運転資金は2~3か月分だからです。
すなわち、2~3か月の間、企業に事業収入が得られない場合は、従業員への給与支払いやオフィス家賃の支払いに必要な企業として持っておくべき現金が底をつき、銀行から借り入れもできない場合には即時倒産につながるからです。
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■ 大規模展示会やイベント、フェスの約3か月間の停止
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■ イベント企画会社の収入が約3か月間激減
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■ イベント企画会社の現金が底をつき、イベント企画会社が倒産(新型肺炎の影響で倒産リスクに見舞われる企業が多数の中で、銀行からの借り入れは困難と想定される)
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■ イベント会場を所有する不動産会社への支払い停止
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■ 不動産会社の経営悪化、不動産会社が不動産の建設時に借り入れた分の銀行への返済停止
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■ 銀行の経営状況悪化
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すでに現時点で2~3か月の収入急減が確定的なイベンド周辺業界においては、資金繰りが悪化し倒産する企業が多数生まれることが予想されます。
今後、新型肺炎の感染拡大の阻止と共に、経済減退にも配慮する必要があり各国政府においては、引き続き難しいかじ取りが迫られることとなります。新型肺炎に起因する経済崩落が発生しないよう、引き続き注視していく必要があるのです。
<TEXT/小森ほうめい>